センシンロボティクスがドローンを活用した配管点検データの取得技術を開発、ENEOSの川崎製油所に導入:ドローン
ENEOSとセンシンロボティクスは、自動航行ドローンを活用した配管点検データ取得技術を共同で開発し、ENEOSの川崎製油所に導入した。今後は、点検業務のDX実現を目指し、2024年3月末までにENEOSの全国77製油所に適用していく。
ENEOSとセンシンロボティクスは2023年3月7日、自動航行ドローンを活用した配管点検データ取得技術を共同で開発し、ENEOSの川崎製油所に導入したと発表した。
2024年3月末までにENEOSの77製油所に導入予定
ENEOSとセンシンロボティクスは、約3年にわたり配管点検データの取得に関する検証を行い、開発を重ねてきた。今回開発した技術は、配管検査として撮影を行うドローン航行の自動化を図ることで、撮影品質の均質化と検査実施者の操縦技術への依存低下が可能となった。
製油所内には膨大な数の配管が存在し、重点箇所を中心に日々検査が行われているが、近年では設備の高経年化に伴い、従来以上に検査の重要性が増している。また、熟練エンジニアの退職に伴う世代交代での技術伝承の難しさなどの課題も浮き彫りになっている中で、検査による不具合の発見遅れは設備停止や計画外修繕に至る場合があり、設備保全費用の増加や設備保全担当者の負荷につながってしまう。
こうした課題の解決手法としてドローンの活用が注目を集めているが、操縦技術を持った人材を育成するためには、時間/コストともに発生するため、導入にあたってのハードルが高くなっている。
自動航行ドローンは、操縦者の技量に依存せず、対象物に対して同一ルートでドローンを航行できるため、均質な撮影データを取得し、過去データとの比較均質な撮影データの取得が可能となり、過去データとの比較が容易に行える。
また、従来はドローンの航行航行ルートを人が指定ルートを人が指定することが大半だったが、今回開発した技術では、障害物や危険区域などを考慮した上で、ソフトウェアがドローンの航行航行ルートを自動で算出して作成する。これにより、誤って航行航行ルートを危険区域に設定ルートするなどのヒューマンエラーを防ぎ、より安全な航行が実現する。
今後は、2024年3月末までにドローンによる配管点検データ取得技術をENEOSの77製油所(仙台、鹿島、根岸、堺、水島、麻里布、大分)への導入を予定している。
センシンロボティクスは、新技術により、取得した配管点検データをータをもとに、配管の劣化傾向の定量的な把握が可能となり、劣化予測や最適な保全計画の立案につなげ、点検業務のDX実現を目指す。
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