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【独自分析】「建設業の平均給与は541万円、全産業平均を上回る」建設業の給与動向建設業の人材動向レポート(48)(1/2 ページ)

本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、建設業における給与動向の2022年の実績と過去5年間の推移をまとめた。

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 今回は、厚生労働省「毎月勤労統計調査」を基礎資料に、建設業における給与動向の現状とこれまでの推移をまとめた。

■本レポートの要旨

・2022年の建設業の年間平均給与額は前年比4.0%増加し、全産業平均を上回る結果

・建設技術者の女性比率は上昇傾向だが、他業種を含めた技術者平均を下回る

・建設技能工は減少傾向が続くと同時に、高齢化および若年就業者の減少も進展

1.建設業の平均年間給与額の動向

■建設業の年間平均給与額は約541万円で、対前年比4.0%の増加

 建設業の一般労働者(短時間労働者を除いた労働者)の年間平均給与額※1の推移をみると、2022年は約541万円で、対前年比4.0%の伸びとなり、全産業平均の約515万円を約5%上回った(図表1)。過去の推移をみると、2018年に全産業平均を超えて以降、増加率は2021年を除き全産業平均以上で推移している。

※1 年間平均給与額=「決まって支給する給与」+「特別に支払われた給与(ボーナスなど)」

【図表1 一般労働者の年間平均給与額の推移(従業員規模5人以上)】
【図表1 一般労働者の年間平均給与額の推移(従業員規模5人以上)】 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」各年次平均結果より著者が作成

■2022年には1時間当たり平均給与額も全産業平均を上回った

 次に、労働時間1時間当たりの平均給与額※2の推移は、建設業はこれまで全産業平均を下回っていたが、2022年には建設業の1人当たり平均給与額は2679円と、対前年比で4.9%伸長し、全産業平均を上回った(図表2)。

 給与が増加する一方で、建設業労働者の年間就業時間は、2020年の2036時間から2022年には2021時間と減少しているため、1時間当たりの平均給与額が伸びていることになる。なお、建設業では長時間労働が課題となっているが、全産業平均と建設業との年間就業時間の差異は、2020年の111.6時間から2022年には73.2時間に縮まっている(図表3)。

※2 1時間当たり平均給与額=「年間平均給与額」÷「年間実労働時間数」で算出

【図表2 一般労働者の1時間当たり平均給与額の推移】
【図表2 一般労働者の1時間当たり平均給与額の推移】 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」各年次平均結果より著者が作成
【図表3 一般労働者の年間就業時間の推移】
【図表3 一般労働者の年間就業時間の推移】 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」各年次平均結果より著者が作成

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