顔認証の入退出システムで個人ごとの温度や明るさも自動設定、アズビルが提案するプラスαの空調ソリューション:第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(2/2 ページ)
アズビルは、第7回 ジャパンビルドで、オフィス空間の空調制御だけでなく、オフィスワーカー個々のウェルネスや省エネといった付加価値も両立させる空調ソリューション群を出品した。
卓上のセンサーが吹出口と通信して最適な風量を実現する「ネクスフォートDD」
一般的に、オフィスの空調は大型の空調機から送られる空気で調整する。そのため、面積の広い執務エリアも、ブースで囲まれたコンパクトな打ち合わせスペースも、同じ温度や湿度の空気が一律に供給されている。
しかし、それでは働く人それぞれにとって最適な空調とはなりにくい。仮にパーテーションで囲まれた打ち合わせスペースに数人が集まれば、そのスペースだけ温度は上がってしまうが、大型の空調機による空間一律の空調システムでは、ゾーンごとの細かな空調が難しかった。
ネクスフォートDDは、オフィス内に複数ある空調の吹出口のダンパを個々に制御し、それぞれの空間で望ましい温度や湿度を提供する。オフィスには複数の空調吹出口があり、ネクスフォードDDの吹出口は、テーブル上や壁面などに設置した「WP(ワークプレース)センサー」と接続し、その場に応じて風量を制御して個々の場所を適切な温度に保つ。
WPセンサーは、一番近くにある吹出口と自動で接続するので、オフィスレイアウトの変更や配置換えをしても、その都度、設定変更する必要はない。
吹出口の風量は、オフィスワーカー手持ちのスマートフォンアプリからも調整できる。標準的な温度設定よりも、暑いまたは涼しいのが好みでも、自分に合った温度に調整できる。
また、ネクスフォートDDは、人がいない場所にある吹出口を絞り、フロア全体としての空調量を下げられる。空調機の稼働量を抑えられれば、その分だけ省エネにつながるというわけだ。
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