アズビルが入退出の顔認証に「AI検温」機能を追加、withコロナ社会へ対応:BAS
アズビルは、新型コロナウイルス感染症の対策として、非接触で顔を認識して検温する「AI温度検知ソリューション」の販売を開始した。AI温度検知ソリューションは、withコロナ時代におけるイベント会場やオフィスビルなど、新たな入退場管理方法として需要に応える。
アズビルは、日本コンピュータビジョン(JCV)と事業提携を締結し、先行して2020年4月21日から国内向けに、JCVの顔認証システムを発売した。顔認証システムは、ビルの入退場ゲートなどに設置し、独自のアルゴリズムで登録されている顔かどうかをAIが判定する仕組み。写真や変装などの成りすましも防ぎ、顔認証技術を採り入れた高度なビルセキュリティが実現する。
今回販売する「AI温度検知ソリューション」は、JCVの顔認証システムに高解像度赤外線サーモグラフィカメラを搭載し、非接触で0.5秒以内に±0.3℃の精度で検温することができる。また、マスクを着用していても、発熱者を検出し、アラートを発する。
AI温度検知ソリューションは試験導入として、アズビル藤沢テクノセンターで2020年6月24日に開催する定時株主総会において、来場者の体温確認のために導入し、感染リスクの低減を図る。
また、例えばビルの入退室管理システムと統合した運用を行えば、万一罹患者が発生した場合は、過去にさかのぼって、同時間帯の在室者なども調べられるようになる。既にアズビル社内では、一部事業所の従業員出入り口に設置し、新型コロナウイルス感染症拡大防止と従業員の体調管理を行っている。
発熱者を速やかに見つけることができるAI温度検知ソリューションは、オフィスやイベント会場など、不特性多数の人が出入りする施設、会場の入場管理に適している。今後は、オフィスビルにも積極的に提案していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 【新連載】アズビルが解き明かす「BAS」徹底解剖!「BAS/BEMS/自動制御」誕生の歴史とその全体像
建物には、空調、照明、監視カメラなど、さまざまな設備機器が導入されている。それらを効果的に運用するシステムとしてビルディングオートメーションシステム(Building Automation System、BAS)が存在する。本連載では、制御・計測機器メーカーで各種ビル設備サービスを展開するアズビルが、「建物の頭脳」ともいえるBASやシステムを活用したエネルギー管理システム「BEMS」を紹介し、今後の可能性についても解説する。第1回目はBASを中心にBEMSも含めたビルシステムの全体像を明らかにする。 - アズビルの延べ5000m2小規模ビル向けシンプルBAS、省エネ管理の機能を強化
アズビルは、ビルディングオートメーションシステムのラインアップのうち、延べ5000平方メートル程度の小規模ビルを対象にしたスマートシリーズで、次世代型の「SmartScreen2」を発売した。新バージョンでは、省エネ管理機能を強化し、小規模なオフィスビルや病院などで、持続可能な社会実現に向けた省エネルギー化を提案し、年間600台以上の販売を目指すという。 - アズビルがIoT時代に提案する次世代のオープンな「ビルディングオートメーションシステム」
アズビルは「第3回 スマートビルディングEXPO」に出展し、建物経営に関してライフサイクルで価値提供するビルディングオートメーション商品を出品した。新製品では、IoT、AI、ビッグデータなど先進技術を融合させた省エネ・省CO2を実現する次世代のビルディングオートメーションシステムなどを提案。 - 【BAS徹底解剖】BEMSのクラウド化〜現在から将来に向けた対応〜
建物には、空調、照明、監視カメラなど、さまざまな設備機器が導入されている。それらを効果的に運用するシステムとしてビルディングオートメーションシステム(Building Automation System、BAS)が存在する。本連載では、制御・計測機器メーカーで各種ビル設備サービスを展開するアズビルが、「建物の頭脳」ともいえるBASやシステムを活用したエネルギー管理システム「BEMS」を紹介し、今後の可能性についても解説する。第3回目は、BEMSのクラウド化について紹介していく。