賃貸物件の原状回復工事に特化したTW PLANの「room me」 新人でも1人でも現調可能に: 第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(2/2 ページ)
賃貸住宅の原状回復工事では、交換する壁紙の量や塗装が必要な面積の算出、工事業者の手配、工事後の確認など、多くの手間が必要になる。TW PLANの原状回復に特化したアプリ「room me」では、こうした面倒な作業工程を一貫して管理できる。
工事業者の選定、工程管理や発注書の発行にも対応
room meで、部屋のスキャニングが可能になったのは、iPhone12 Pro/Pro Maxなどに搭載されたLiDARスキャナーのおかげだという。LiDARは、レーザー光を利用して物体の距離を計測する方法だ。
LiDARを採用する前は、点群で室内をスキャンする方法を検討していた。点群を使うと、凹凸をありのままにスキャンできるが、壁と壁が交わる入隅部がポリゴン的に丸くなるなどの問題が生じたという。対してLiDARは、入隅の正確さや扱いの手軽さがあった。
iPhoneやiPadにLiDARセンサーが実装されたことで、iPhoneやiPadを使って手軽に部屋の採寸が行えるようになった。LiDARの情報から3Dモデルを作る手順は、Appleが公開していたため、TW PLANは部屋の内部をスキャンして3D化する専用アプリを開発した。
room meは、原状回復工事に関して、室内の計測から施工までの全てを管理できる。例えば、外注スタッフを登録しておけば自動的に工程表が作成され、情報を共有できるようになる。原状回復工事は、気心の知れた業者や職人に依頼することが多く、人材を取り合う状況もあり得る。room meがあれば、登録されている工事スタッフの日々の稼働状況を確認しながら、人に合わせて工事日程の調整が実現する。
他にも、room meでは、実行予算や見積書、発注書といった書類の作成にも対応。書類はPDFで、そのままメール送信も可能だ。原状回復工事に関する作業全体をフォローしているので、全体を通じてスピーディーかつ効率的な運用が実現する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
製品動向:原状回復の工事会社マッチングから退去立ち合いまでサポート「内装工事くんおまかせプラン」
イタンジは、賃貸物件の原状回復工事の発注/管理システム「内装工事くん」の新たなプランとして、「内装工事くんおまかせプラン」を提供する。製品動向:スマホ360度撮影向けのモーター駆動式自動回転雲台、建設/不動産業界用途
野原ホールディングスは、スマートフォンによる360度撮影に向けたモーター駆動式の自動回転雲台「Matterport Axis」の販売を開始した。価格は1万5180円。同社は、建設業界や不動産業界での用途を見込んでいる。写真付き報告書作成やオーナー報告が簡単にできる新サービス
アットホームは、エーエスシーが開発・運用する、スマートフォンやタブレット端末から写真付き管理報告書の作成やオーナーへの報告が簡単に行えるサービス「物件の報告」を、2021年6月1日より提供開始した。オンライン報告にも対応し、業務効率化を目指す。製品動向:東計電算、不動産管理業向け業務効率化システム「J-Asist」販売開始
東計電算は、不動産管理業向け業務効率化システム「J-Asist」を販売開始した。クラウド上で作業予定を管理と現場が共有し、リアルタイムな進ちょく確認や連絡が行える。プロジェクト:ベターホームの旧本社をオフィスビルへ改修、アートワークに小林一毅氏が参加
リアルゲイトにより、料理教室を運営するベターホームの旧本社ビル改修工事が2021年3月に完成し、賃貸オフィスビル「LAIDOUT SHIBUYA」として生まれ変わった。LAIDOUT SHIBUYAのアートワークは、グラフィックデザイナーの小林一毅氏が「コミュニケーション」をテーマに制作した。製品動向:原状回復リフォームサービスが施主と職人をつなぐスマホアプリに
FURUELが運営する原状回復リフォームの「REMODELA」が、リフォームの施主と建設職人をつなぐマッチングアプリとしてリニューアルした。原状回復工事やリフォームがワンクリックで受発注可能となり、施主と職人双方の業務効率が大幅に向上する。