賃貸物件の原状回復工事に特化したTW PLANの「room me」 新人でも1人でも現調可能に: 第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(1/2 ページ)
賃貸住宅の原状回復工事では、交換する壁紙の量や塗装が必要な面積の算出、工事業者の手配、工事後の確認など、多くの手間が必要になる。TW PLANの原状回復に特化したアプリ「room me」では、こうした面倒な作業工程を一貫して管理できる。
TW PLAN(ティーダブリュープラン)は、日本最大級の建築総合展「第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2022年12月5〜7日、東京ビッグサイト)で、賃貸住宅などの退去時に必要な原状回復工事の処理を効率化するサービス「room me(ルーミー)」を展示した。
iPhoneを室内に向けるだけで、部屋全体を3D化
room meを開発したTW PLANは、賃貸住宅などの退去時に発生する原状回復工事を多く手掛けてきた会社だ。物件の原状回復では、壁紙やカーペットなどの交換、塗装などの工事が行われる。当然ながら、その際には工事に必要な壁紙やカーペット、塗料などの分量を見積もらなくてはならない。
room meは、部屋の中をiPhoneやiPadでスキャンするだけで、細かな寸法を計測できる。一度に現場を丸ごと測定するので、撮り忘れも起きない。
また、壁紙を貼り替える場合には、room meでスキャンしたデータから、壁や天井の面積を自動計算。面積を幅900ミリの壁紙で施工する際には、何メーターの壁紙が必要かも自動で表示される。
これまで、施工する壁や天井の面積を測るには、レーザー距離計やメジャーなどで採寸した部屋各所の情報をメモ、またはExcelで作ったシートに入力し、その後に計算していた。しかし、手間がかかる上、後で測り忘れが発覚することもあった。room meは、部屋全体をスキャンするので、その心配は無用だ。加えて、スキャン後に採寸した場所を指定し直せるため、原状回復工事で必要なデータが確実に得られるようになっている。
TW PLANがroom meを開発した背景には、賃貸物件の退出時の状況から経費を見積もり、その後の各種手続きまでを行う人材の不足があった。ブースで来場者の対応にあたったTW PLANの西田宗巨氏は、「まだまだアナログな業界なので、可能な限り、最先端の技術で原状回復の業務を省力化したかった」と語る。
また、物件の入退去に関しては、室内の採寸を行った後に、工事を担う人員を用意しなければならない。しかし、多くの物件を抱える会社では、作業員の確保が困難となるケースも多々見受けられた。
その点、room meでは、室内の計測や壁紙などの部材計算だけでなく、あらかじめ登録している工事スタッフのスケジュール調整も行える。搭載されている便利ツールによって、新人でも短期間の研修で、原状回復の見積もりや退去立ち会いが可能になる。
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