“富岳”による新型コロナ飛沫感染リスク評価が日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞:CFD
鹿島建設は、理化学研究所と神戸大学の坪倉教授が代表者として参画しているプロジェクト『スパコン「富岳」による新型コロナ飛沫感染リスク評価のデジタルトランスフォーメーションと社会実装』が、内閣府主催の第5回日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞した。パンデミック初期から感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案してきた社会的意義などが高く評価され、受賞に至った。
鹿島建設は2023年2月16日、理化学研究所と神戸大学の坪倉誠教授が代表者として参画しているプロジェクト『スパコン「富岳」による新型コロナ飛沫感染リスク評価のデジタルトランスフォーメーションと社会実装』について、内閣府主催の第5回日本オープンイノベーション大賞文部科学大臣賞を受賞したと発表した。
新型コロナを対象に感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案
日本オープンイノベーション大賞は日本でのイノベーション創出加速を目的に、今後のロールモデルとなる先導性や独創性の高い取組を表彰する制度。今回は3者の他にも、豊橋技術科学大学、京都工芸繊維大学、ダイキン工業も受賞した。
受賞したプロジェクトは、スーパーコンピュータの富岳とシミュレーションソフトのCUBEを用い、新型コロナウイルスを対象とした感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案した。鹿島建設は、建設会社として唯一参画し、室内環境シミュレーションの独自ノウハウ提供や計算モデルの作成などを担当した。
約2000席を想定し、汚染された空気を赤色で示す。エアコンを稼働し、客席の下部から清浄な空気(青色)を送りこむ(左)、汚染された空気は天井からホール上部の排出口へ向かい、数分で大部分が清浄な空気に(右)※提供:神戸大学/鹿島建設、協力:理化学研究所/川崎市 出典:鹿島建設プレスリリース
選考では、産学連携体制で飛沫やエアロゾル感染リスク評価をシミュレーションで見える化し、パンデミック初期から感染リスク評価と感染拡大抑止対策を提案してきた社会的意義、最先端科学の成果を実社会に組み入れ、目に見える成果を上げた事例として高く評価され、受賞に至った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Archi Future 2022:地方都市「広島」でもBIM設計をスタンダードに!広工大と大旗連合建築設計にみるBIM人材育成と実践例
地方の建設業でも、BIMを本格活用するためには何をすべきか。その1つの答えとして、広島工業大学の即戦力を育てるデジタルデザイン教育と、地方の組織系建築設計事務所での実践例を紹介する。 - 電子ブックレット(BUILT):【座談会2.0】コロナ禍を経てビルシステムのセキュリティ意識はどう変わった?
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することで、ダウンロードすることができます。今回のブックレットは、2019年にBUILT主催で開催した「ビルシステムにおけるサイバーセキュリティ座談会」の参加者を再び招集し、コロナ禍による環境変化などについて意見を交わした座談会2.0の前後編を再編してお届けします。 - withコロナ:「レコナ アクアリフレッシュ アクアG抗菌プラス」の提供体制を強化
キャンディルパートナーズは抗菌効果を付与したキッチン、浴室、トイレなどの水まわり向けのコーティング剤「レコナ アクアリフレッシュ アクアG抗菌プラス」のサービス提供体制を強化。同製品はSIAA抗菌認証を取得している。 - ワークプレース:コロナ禍で変わる“コミュニケーション”と“距離感” 内田洋行が提案するハイブリッドワークのオフィス空間とICTツール
コロナ禍をきっかけにテレワークが普及するなか、企業が対応すべき課題が顕在化している。それは、会社への帰属意識の薄れや自宅勤務での孤独感など、コミュニケーションに関するものが多い。コロナが沈静化しつつある今で、企業によって目指す方向が異なる例も見受けられる。引き続きテレワークを続行・強化する企業がある一方で、オフィスへの回帰を進め“週に○日以上”といった出社日数を定める企業もある。内田洋行は、このような課題と多様化するワークスタイルに対し、「チーム」にフォーカスした新しいオフィス環境を提案する。 - プロジェクト:三井不レジら6社が計画する豊海地区の再開発が着工、総戸数2077戸の54階建て商住複合2棟を新設
三井不動産レジデンシャル、東急不動産、東京建物、野村不動産、三菱地所レジデンス、清水建設の6社が、東京都中央区豊海町で計画していた豊海地区の再開発プロジェクトが着工した。構想では、新棟に2077戸の住宅をはじめ、店舗や区民館、診療所、保育所などの生活利便施設が入居するという。 - スマートシティー:清水建設ら3社が交通や防災、観光の最適化で「街の未来を予測する」データ分析プラットフォームを開発
清水建設とグルーヴノーツ、GEOTRAは、位置情報などのビッグデータと先端テクノロジーによるシミュレーション技術をかけ合わせ、交通や防災、観光の最適化を図るデータ分析プラットフォームの開発に着手した。グルーヴノーツ独自のデータ分析サービス「CaaS」に、清水建設のまちづくりノウハウ、GEOTRAの「GEOTRA Activity Data」をかけ合わせ、交通や防災、観光の最適化に貢献するデータ分析プラットフォームを構築する。