「コロナ禍で打撃を受けた業界からの入職者増」H&Companyが建設業の入職や離職の分析レポートを公開:調査レポート
H&Companyは、建設業における入職や離職に関する最新動向について分析し、レポートとして公開した。コロナ禍で打撃を受けた業界から、建設業に入職する人が増加していることなどが判明している。
H&Companyは2022年11月17日、建設業における入職や離職に関する最新動向について分析し、レポートとして公開した。レポートでは、厚生労働省による雇用動向調査のデータを用いた。
コロナ禍で打撃を受けた業界から建設業の入職者が増加
レポートによると、建設業の有効求人倍率はコロナ禍の2020年でも4.2倍となっており、全職業計の1.1倍を大きく上回った。コロナ禍前と比べると減少傾向とはなったものの、全職業計と比べて少ない減少幅にとどまっている。
また、2015年以降の建設業の入職者数と離職者数の推移を分析したところ、入職者数が離職者数を上回っている状況が続いていることも判明した。
2021年の建設業の入職者27万3300人を調べたところ、67.7%に当たる18万5000人が転職入職者となっていた。転職入職者とは、入職者のうち入職前1年以内に他の企業で就業経験のある転職者を指す。
転職入職者の年齢別では、20代以下が全体の34.5%、30代が20.7%で、30代以下の入職者が半数を超える結果となっている。
また、転職入職者を対象に前職の産業を分析したところ、建設業を除き例年製造業からの入職が多い結果となった。加えて2021年の調査結果では、旅行業界や婚礼会社などを含めた生活関連サービス業や娯楽業からの入職がコロナ禍以前に比べて多かった。
前職の職種では、建設および採掘従事者を除き例年専門的、技術的職業従事者が多い結果となった。一方で、2021年の調査結果では、販売従事者の入職が2020年比で2倍以上の15.7%となった。
H&Companyによれば、コロナ禍で打撃を受けた業界から、建設業に入職する人が増加していることが判明した。また、企業側も他産業の未経験者を積極的に採用しているものと推察されるという。
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