ソベント継手用のライニング工法を開発、P・C・Gテクニカ:第24回R&R 建築再生展2019
P・C・Gテクニカは、ソベント継手用のライニング工法「P・C・G FRPソベント更生工法」を開発した。従来の塗布方式では、困難だった穴の開いた排水管の更生が実現する。
P・C・Gテクニカは、「第24回R&R 建築再生展2019」(会期2019年6月11〜13日、東京ビッグサイト)で、ソベント継手用のライニング工法「P・C・G FRPソベント更生工法(以下、FRPソベント更生工法)」をアピールした。
穴の開いた排水管の更生と耐震補強が同時に
これまで、ソベント継手は、特殊な形状のため、更生(ライニング)工事が難しく、更新工事が実施されていた。更新工事は、床や壁などに開口を設けて、配管を入れ替える必要があり、ライニング工事と比較して、費用や施工時間、大規模な作業でマンション管理者に負担がかかる場合が多いという。
こういった問題を踏まえ、P・C・GテクニカはFRPソベント更生工法を開発した。同工法は、まず、排水管の中のさびやスケールなどを取り除く。次に、エポキシ樹脂を含侵させた強化繊維(FRP)を用いて、配管内の内側を補強する。継手の一箇所に、点検口を設置し、立体管以外の補強が難しい部分を手作業でFRP仕上げを行う。
従来の塗布方式と比べて、困難だった穴の開いた排水管のライニングと耐震補強が同時に行えるのが最大の特長だ。また、既設配管を取り換える方法と比較すると、廃棄物の発生も少なく、配管製造も不要のため、ワークフロー全体で発生するエネルギーやCo2が大幅に減少する。
新工法について、P・C・Gテクニカの担当者は、「ソベント継手は、築30年以上のマンションの排水管で、使用されていることが多く、マンション管理者からライニング工事の要望は以前よりあった。2018年に開発し、まだ施工実績は少ないが、今後はは導入が広がることを期待している」と語った。
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