AIで自律飛行するSkydioドローンに、“自動離着陸”する基地が登場：ドローン（2/2 ページ）

Skydioは、現場で同社のドローン「Skydio S2+」と「Skydio X2」を無人で運用するのに役立つ発着装置「SKYDIO DOCK」と「SKYDIO DOCK LITE」やドローン遠隔操作用の専用クラウド「SKYDIO REMOTE OPS」を開発した。

[遠藤和宏，BUILT]

SKYDIO DOCKから1キロ先の場所までドローンを飛行可能

　SKYDIO REMOTE OPSは、Skydio S2+あるいはSkydio X2が飛行する経路を作れる他、Wi-Fiに接続したSKYDIO DOCKとSKYDIO DOCK LITEを介して、Skydio S2+やSkydio X2に飛行経路を入力できる。

　さらに、指定した時間に対象エリアでSkydio S2+もしくはSkydio X2を自動でフライトさせて定期点検が行え、ドローンの手動操作にも対応し、ドローンに搭載されたカメラで撮影した映像を専用クラウド上で見られる。

「SKYDIO REMOTE OPS」の画面

「SKYDIO DOCK」と「SKYDIO REMOTE OPS」の特徴　提供：Skydio

　「当社では、SKYDIO REMOTE OPSやSKYDIO DOCKを利用することで、飛行経路の状況にもよるが、SKYDIO DOCKから1キロ先の場所までSkydio S2+とSkydio X2を飛ばせることが分かっている」（柿島氏）。

　SKYDIO REMOTE OPSとSKYDIO DOCKの導入先に関して、大林組は、SKYDIO REMOTE OPS、SKYDIO DOCK、Skydio製のドローンを活用し、建設を進めるドームの施工進捗を確かめるPOC（Proof Of Concept、概念実証）を行っている。

　SKYDIO REMOTE OPSやSKYDIO DOCK、SKYDIO DOCK LITEの用途について、SKYDIOでは、「定期点検」「現場の継続モニタリング」「在庫管理」「設備管理」を推奨している。

　定期点検では、SKYDIO REMOTE OPSであらかじめ飛行経路を作成し、SKYDIO DOCKを経由して、Skydio S2+あるいはSkydio X2が自律飛行する時間とエリアを設定することで、定期点検作業を無人化できる他、緊急時の点検も遠隔で実施可能。なお、Skydio S2+とSkydio X2は、装着されたカメラで得られた映像を基に障害物を検知するため、非GPS環境下や屋内でも使える。

「Skydio S2+」

「Skydio X2」

　現場の継続モニタリングでは、上記のソリューションを利用することで、遠隔地の監視や巡回点検、データ収集を無人で行えるため、省人化に役立つ。

　在庫管理と設備管理では、SKYDIO REMOTE OPSであらかじめ飛行経路を作成し、SKYDIO DOCKを経由して、Skydio S2+あるいはSkydio X2が自律飛行する時間とエリアを設定することで、建物内の在庫や設備の状態を定期的に確認できる。

　また、米国では、建設現場の日々の工事進捗管理にドローン撮影が用いられることが多いが、国内ではまだそうしたドローン活用は浸透していない。しかし、その点、SKYDIO DOCKを用いれば、あらかじめ、フライトルートを設定しておくことで、自動飛行により日々の現場を撮影し、工事進捗を記録しておく現場管理が、人手や手間を掛けずに実現する。

　デモンストレーションでは、SKYDIO DOCKのインドアタイプ、Skydio製のドローン「Skydio S2+」、SKYDIO REMOTE OPSを利用し、会場の一部でSkydio 2+を自律飛行させた。具体的には、SKYDIO REMOTE OPSで、SKYDIO DOCKからSkydio S2+をフライトさせ、飛行経路を飛んだ後、SKYDIO DOCKに戻るまでの流れを披露した。

「SKYDIO DOCK」のインドアタイプから飛び立つ「Skydio S2+」

「SKYDIO DOCK」のインドアタイプに戻る「Skydio S2+」

　なお、Skydioの製品を扱う代理店は、SKYDIO DOCKとSKYDIO REMOTE OPSを単体で発売せず、SKYDIO DOCKのインドアタイプ、SKYDIO REMOTE OPS、Skydio S2+のセットと、SKYDIO DOCKのアウトドアタイプ、SKYDIO REMOTE OPS、Skydio X2のセットで販売する見通しだ。