球体ガードやパノラマカメラ2台を搭載したドローンによる点検サービス:第6回 国際ドローン展
エイテックは、球体ガードとパノラマカメラを組み合わせたドローン点検手法を確立し、2種類のサービスを展開している。
エイテックは、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(会期:2020年7月29〜31日、インテックス大阪)併催のドローンの専門展「第6回 国際ドローン展」(会期:2020年7月29〜31日、インテックス大阪)に出展し、「球体ガードとパノラマカメラを搭載したドローンによる橋梁(きょうりょう)事前点検」と「パノラマカメラを備えたステルスドローンの効果的撮影」という2種類のサービスを披露した。
最大で対象物の35センチ手前まで接近可能
球体ガードとパノラマカメラを搭載したドローンによる橋梁事前点検は、PAUI製回転球体ドローンとアスク製パノラマカメラ「Insta360 ONE X」を使用して、インフラ構造物を上空から撮影する。
ドローンは、球体ガードを装着したまま約15分飛行可能で、球体ガードがドローンを保護するため、最大で対象物の35センチ手前まで近づいて撮影できる。仮に球体ガードが橋梁に衝突しても、回転して衝撃を吸収するため、点検作業が続けられる。球体ガードは、最大直径が75センチで重さは530グラム。
Insta360 ONE Xは、タブレット端末とWi-Fi接続することで、タブレットとの距離が30メートルまでなら、撮っているパノラマ画像をリアルタイムに確認しながら、飛行させられる。
精度は、対象物に対して、距離1メートルで、0.2ミリのひび割れを抽出可能。スペックは、画質は5.7K動画対応で、手ブレ補正や滑らかな映像を取得する「FlowState」などの機能を有している。
パノラマカメラを備えたステルスドローンの効果的撮影は、DJI製ドローン「Mavic Pro」とアスク製パノラマカメラ「Insta360 ONE R」で、撮ったインフラ構造物の映像からフォトグラメトリ技術で構築した3Dモデルをユーザーに提供する。また、パノラマ映像と異なる視点の動画を一度に見られる専用ビュワーも利用者に与えるため、近景撮影を行った時に生じる位置不明の問題も解消している。
Mavic Proは最長飛行距離が4キロで、最大フライト時間が18分。Insta360 ONE Rは、ドローンの上部と下部に1台ずつ取り付け、2つのカメラがそれぞれ撮影した180度の映像をつなげることで、ドローンの本体が映り込まないパノラマ動画を作る。本体が映像に映らないことで、撮影漏れを抑制する。
エイテックの担当者は、「パノラマカメラを備えたステルスドローンの効果的撮影は、2020年6月から効果検証を開始している。球体ガードとパノラマカメラを搭載したドローンによる橋梁事前点検は2019年に展開を始めた」と説明した。
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