スペースが内装監理業務を支援するシステムを開発、ららぽーとで作業時間を7割削減:製品動向
スペースは、建設現場における内装監理業務の効率化を図る情報一元管理システム「内装監理システム」を開発した。今後は、商業施設を中心とした20件の建設現場で内装監理システムを運用し、利用者からフィードバックを得て、機能の改良と充実化を図り、建設現場の生産性向上とペーパーレス化で環境負荷を低減する。
スペースは、建設現場における内装監理業務※1の効率化を図る情報一元管理システム「内装監理システム」を開発したことを2022年11月7日に発表した。
※1 内装監理業務:事業主(デベロッパー)の代行業務として、ゼネコンやテナント関係者の間に入り、商業施設の計画からオープンまで、テナント出店者の設計および施工を総合的に監理し、商業施設の開業を目指すためのコーディネート業務を指す。
「ららぽーと堺」に導入し書類整理に要する時間を従来と比べ約7割削減
建設現場では、建築申請に関わる書類が多く、工事関係者は大量に紙ベースの資料を持ち歩き、内装監理業務では多数の資料を整理している。しかし、こういった作業は、現場作業員の負担となっており、紙書類の申請から管理まで一連の運用に労力と時間を使用。
一方、国内では、高齢化社会を迎え、多くの業界で人手不足が深刻化している。とくに建設業界は、慢性的な人手不足の状態にあり、長時間労働を強いられている企業も多い。
そこで、スペースは、上記の作業をデジタル化し、申請書をクラウドで一元管理することで、生産性を高める内装監理システムを開発した。
内装監理システムは、専用URLに登録すれば単純な操作で利用できる仕組みを採用しており、デジタル機器操作に不慣れな人でも簡単に使える。加えて、現場の作業員は、スマートデバイスから作業申請が可能で、申請状況をリアルタイムに確かめられる。そのため、場所と時間を限定せず作業申請を実現し、申請作業時間の削減につながる。
さらに、申請書類はクラウドで管理され、内装監理者はクラウドサービスを利用し、申請内容を確認できる。なお、申請書類をデジタル化することで、書類作成や押印の手間をなくすだけでなく、それらを紙で管理する必要がなくなり、業務の効率化や紙の印刷、保管にかかるコストを減らせる。
また、内装監理システムの「お知らせ機能」を利用し、現場全体への連絡事項を調べられる。お知らせ機能は、システム登録者にメッセージとファイルの共有を達成し、速やかな情報伝達が行え、現場の安全と品質を高められる。
ちなみに、スペースは、2022年11月8日に大阪府堺市で開業した「三井ショッピングセンター ららぽーと堺」で、三井不動産から業務委託を受けている内装監理業務の中で内装監理システムを運用した。その結果、従来と比べ、内装監理業務の作業届や搬入届、書類整理に要する時間を約7割削減し、ペーパーレス化も約9割進んだ。
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