電子契約システムによる契約書類の署名・押印をスタート、野村不動産:導入事例
野村不動産は、デジタルガレージと共同で、不動産売買契約時の重要事項説明書および売買契約書の署名・押印といった手続きを電子化するシステム「Musubell for 仲介」を開発した。
野村不動産ソリューションは、個人向け不動産仲介事業で、不動産売買契約時の重要事項説明書および売買契約書の署名・押印といった手続きを電子化するシステム「Musubell(ムスベル) for 仲介」を、東京都墨田区の店舗「野村の仲介+(PLUS) 錦糸町センター」と東京都港区の店舗「レアリア麻布」に2021年11月上旬に導入した。
将来的には不動産売買に関する全ての手続きを電子化・オンライン対応に
政治は、2021年5月に公布した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」に基づき、2022年5月までに宅地建物取引業法を改正する予定だ。具体的には不動産取引において書面での発行が欠かせない、重要事項説明書や売買契約書の電子交付が可能になることが見込まれている。
上記のような状況を見据えて、野村不動産はデジタルガレージと共同でMusubell for 仲介を開発した。Musubell for 仲介は、デジタルガレージがシステムの開発を担当し、野村不動産が不動産売買仲介の契約手続きフローや各種契約書類の共有、必要機能の提案といった協力を行い、実現したサービス。さらに、弁護士ドットコムが提供するWeb完結型のクラウド電子契約サービス「クラウドサイン」とAPI連携している。
今回のシステムでは、不動産売買契約時の必要書類をシステム上で管理し、複数書類への署名・押印を不要にすることで、顧客の契約手続きにかかる負担の軽減や契約業務の効率化などを可能とする。
今後、野村不動産では、これまで顧客に来店してもらうことが一般的だった不動産売買手続きを、Musubell for 仲介を活用し、顧客の要望に応じて自宅などで契約手続きを完結できるようにする。加えて、将来的には不動産売買に関する全ての手続きを電子化・オンライン対応にすることを目指していく。なお、法人向け不動産仲介事業においても同様の取り組みを進めていく見通しだ。
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