ESR初のデータセンターが大阪市住之江区で着工、IT電力容量は19.2MW:リテール&ロジスティクス
ESRは、大阪府大阪市で開発を進めているデータセンター「ESR コスモスクエア OS1」の地鎮祭を2022年11月7日に行った。
ESRは、ESRグループ初のデータセンタープロジェクト「ESR コスモスクエア」の1期目として、大阪府大阪市で開発を進めていたデータセンター「ESR コスモスクエア OS1(以下、OS1)」が2022年10月1日に着工したことを同年11月9日に発表した。
大阪市中心部から10キロ圏内に位置
開発地は、大阪市中心部から10キロ圏内に位置し、周辺には、多くのクラウドネットワークへの接続拠点や通信会社、大手IT企業などが集まっている他、ハイパースケーラーの拠点も増加しており、データセンター需要の成長が著しいエリアにある。
ESR コスモスクエアは、OS1や「ESR コスモスクエア OS2(以下、OS2)」と「ESR コスモスクエア OS3(以下、OS3)」といった3棟のデータセンターから成り、合計で最大98MWのIT電力容量を備えたキャンバス型データセンターとなる。なお、OS2、OS3については、計画地内で順次開発する予定だ。
OS1は、19.2MWのIT電力容量を備えるだけでなく、設計上の柔軟性と設備の拡張性を完備し、顧客の需要に合わせて、データホールと呼称される専用区画での提供や1棟貸し、OS2とOS3を含めた複数棟での使用に対応する。これにより、大手クラウドサービスプロバイダーを含むハイパースケーラーやコロケーション向けデータセンター会社といった顧客の多様なデータセンターのニーズに応えられる。
環境配慮に関して、「LEED ゴールド認証」の取得を目指した建築計画を行っている。具体的には、高効率冷却システムの採用や効率的なエネルギー利用と再エネ活用によるグリーン化、省エネデジタル機器の導入などで、CO2排出量の削減を図る。
なお、ESRグループでは、OS1や都内で計画を進める「ESR TK1 データセンター」だけでなく、香港、ソウル、シドニー、ムンバイ、シンガポールの主要なデータセンター集積地で、IT電力容量が合計で300MWとなる計8つのデータセンタープロジェクトを進めている。
加えて、データセンター市場の急速な成長に対応するため、2022年7月にESRグループ初のデータセンター事業に特化したファンド「ESR データセンター・ファンド 1」を組成し、出資コミットメント総額10億米ドル(約1360億円)で1次募集を完了した。
ESR コスモスクエア OS1の概要
OS1は、IT電力容量が19.2MWで、所在地は大阪府大阪市住之江区で、敷地面積は8146平方メートル。設計はNTTファシリティーズが担当し、施工は戸田建設が担い、着工は2022年10月1日で、竣工・サービス開始は2024年5月31日を予定している。
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