大和ハウスが千葉ニュータウンで延べ23万m2のデータセンター団地を開発:プロジェクト
大和ハウス工業は、千葉県印西市の千葉ニュータウンで、2018年3月に千葉県と都市再生機構から購入した工業団地の敷地面積約42万平方メートルのうち、約23万5000平方メートルの敷地をデータセンター団地として開発を進めている。
大和ハウス工業は、千葉県印西市の千葉ニュータウンでデータセンター団地計画「(仮称)千葉ニュータウンデータセンターパークプロジェクト」の開発を進めているが、2020年10月15日に1棟目のデータセンター「Air Trunk TOK1-B」の工事を開始した。
団地内に1000MWの電力供給が可能な超高圧変電所を誘致
(仮称)千葉ニュータウンデータセンターパークプロジェクトは、総延べ床面積が約33万平方メートルで、総敷地面積は23万5000平方メートル。所在地は千葉県印西市牧の台2丁目1-1他で、アクセスは北総鉄道北総線「印西牧の原駅」から徒歩20分に位置する。総工期は2020年10月〜2030年を予定している。
同プロジェクトでは、大和ハウス工業が手掛ける工業団地「D-Project Industry 千葉ニュータウン」内に、データセンターを最大で15棟開発する。15棟のデータセンターが、インターネット用サーバなどのIT機器に供給可能な最大電気容量は600MW(メガワット)に及ぶ見込みだ。また、データセンター運営には多くの電力供給が必要なため、同団地内に最大1000MWの電力供給が可能な超高圧変電所を誘致する。
大和ハウス工業は、データセンター建設を検討しているテナント企業のニーズやクラウドサーバと5Gの進展によるビッグデータの利用拡大を踏まえて、物流施設事業のノウハウを生かせるデータセンターの開発を2017年から検討していた。さらに、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、テレワークを採用する会社が急増し、クラウドサービスの需要が高まり、データセンターにおけるニーズ増加が期待されていることを考慮し、データセンター団地を開発するに至った。
現在、同社は、2019〜2021年度の「第6次中期経営計画」に基づき、商業施設や物流施設など大規模案件の開発を進めている。また、物流施設を中心とした事業施設への投資機会の増加を見据え、事業施設事業における不動産開発投資計画を当初の3500億円から6500億円に修正している。
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