“現場”の暑さ指数をいち早く察知する、大林組が開発した熱中症対策ソリューション「SisMil」:メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022(2/2 ページ)
日本の夏が過酷になるにつれ、さまざまな場所で、熱中症回避への関心が高まっている。大林組グループのオーク情報システムがレンタルで提供している「SisMil(シスミル)」は、熱中症と密接な関係がある暑さ指数(WBGT)を監視するシステムだ。熱中症は、作業効率の低下の他、作業事故の誘発にもつながる。また、生命を脅かす危険性があるため、現場環境には配慮が求められる。
建設現場以外でも工場やスポーツ施設などにも採用
SisMilは、もともとは大林組が開発した「暑さ指数ウォッチャー」という名のソリューション。グループ会社のオーク情報システムが、CO2濃度や風速といった環境数値を測定できるオプション機能を追加して、建設現場以外の場所や季節を問わず活用できるシステムとして、名称を「SisMil」に改称した。
最初のリリースから約3年が経過し、既に1000カ所ほどへの導入実績があるという。大林組が開発したこともあり、建設現場への導入がメインとイメージされがちだが、建設現場以外でも工場やスポーツ施設など、熱中症への対応が求められる業種や場所へも導入されている。最近では、“スマートシティー”に関連して、暑さ指数の計測にも使われているという。
SisMilの特徴は、温度や湿度を2分間隔で計測し、環境状態の推移をタイムリーに監視できる点にある。推移が変化する度にメールや本体の状態表示ランプによって現場環境を可視化できるので、重大な問題が発生する前に休憩や水分の摂取といった対策が取れる。
もちろん、クラウドでは子機を設置した場所の温度や湿度、さらに作業強度、着衣の状況といった細かいデータも含めて一覧で管理できる。単に温度や湿度だけではなく、さまざまな角度から熱中症を回避するソリューションとして、現場の環境整備に活用できそうだ。
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