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“現場”の暑さ指数をいち早く察知する、大林組が開発した熱中症対策ソリューション「SisMil」メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022(1/2 ページ)

日本の夏が過酷になるにつれ、さまざまな場所で、熱中症回避への関心が高まっている。大林組グループのオーク情報システムがレンタルで提供している「SisMil(シスミル)」は、熱中症と密接な関係がある暑さ指数(WBGT)を監視するシステムだ。熱中症は、作業効率の低下の他、作業事故の誘発にもつながる。また、生命を脅かす危険性があるため、現場環境には配慮が求められる。

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 オーク情報システムは、メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2022の「第8回 東京 猛暑対策展」(会期:2022年7月20〜22日、東京ビッグサイト)で、熱中症対策ソリューションの「SisMil」を展示した。SisMilは、暑さ指数(WBGT:Wet-Bulb Globe Temperature)に代表される環境測定値一元管理できるクラウド型のソリューション。パトライトを接続すれば、設置場所にいる人に対して危険度を直接知らせることもできる。

SisMilは気温、湿度、輻射熱から暑さ指数を計算


オーク情報システムの「SisMil」展示ブース全景

 SisMilは、設置した場所の気温、湿度、輻射熱(ふくしゃねつ)から暑さ指数を計算する。暑さ指数が熱中症を引き起こす危険域に達すると、現場に設置したパトライトの起動やメールによる警報で作業員や管理者に危険を知らせる。

 SisMilのハードウェアは、インターネットに接続する親機とセンサーを搭載した子機で構成されている。子機が設置された場所の温度や湿度、輻射熱などをセンシングして、データを親機がクラウドに送って暑さ指数(WBGT)を割り出す。

 親機と子機間は、低消費電力で遠距離通信が可能な通信方式「LPWA」の一種「LoRa」で通信し、屋外なら500メートル、屋内でも100〜200メートルの距離で接続ができる。また、1台で最大30台の子機と接続し、1台の親機で多くの子機を接続できるということは、広い工事現場などでエリアを細かく区切り、個々の場所で作業環境を手軽に監視できることを意味する。


現場に設置するSisMilの親機(左)と子機(右)。子機の上部にある丸い玉の部分が輻射熱を、右の白い蛇腹状の部分が温度と湿度を計測する

 今回のブース展示で来場者の対応にあたっていた説明スタッフは、「熱源がある場所ならば、熱源ごとに設置するのがベスト」とし、「熱源がなければ、だいたい1建屋、1つの区切られた場所に子機1台を設置するイメージ」と説明する。なお、SisMilは、親機とクラウド間はLTEによる通信で行うため、現場への導入に際しては、有線のインターネット環境も不要だ。

 ちなみに、親機の稼働にはAC電源が必要だが、子機はAC電源の他に単3電池4本でも稼働する。その利点から、工事や作業の進捗に合わせ、設置場所を移動しての運用も手軽にできそうだ。


パトライトを接続した子機。子機本体にも、4段階の危険度を示すLEDを搭載

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