大日本印刷と京都電子工業、熱中症注意喚起ボードを共同開発:モニタリングシステム
大日本印刷(DNP)は京都電子工業と共同で、熱中症対策のためのモニタリングシステム「DNP電子ペーパー 熱中症注意喚起ボード」を開発。熱中症指標計と連動し、WBGT値と外気の温度などから熱中症の危険度を電子ペーパーに表示する。
大日本印刷(DNP)は京都電子工業と共同で、熱中症対策のためのモニタリングシステム「DNP電子ペーパー 熱中症注意喚起ボード」を開発。1セット当たり29万8千円(税別)で2019年5月22日に販売受付を開始した。
熱中症注意喚起ボードは熱中症指標計と連動し、WBGT値(気温、湿度、輻射熱の3つによる暑さ指数)と外気の温度などから、熱中症の危険度を電子ペーパーに表示。日中の屋外での視認性が高い電子ペーパーを使用することにより、離れた場所からでも危険をすぐに察知できる。電池で駆動するため省電力で設置場所を選ばないとしている。さらにオプションでは、IoT無線ユニットを使いクラウドサーバに保存したWBGT値を、アプリ経由でスマートフォンやタブレット、PCなど多様な端末から簡単に閲覧できる。
近年、地球温暖化による気温上昇などが影響し熱中症が増加。その影響でスポーツやイベントの会場、教育機関や工事現場などの屋外で、熱中症への注意を促す情報を表示したいという需要が高まっている。しかし従来のLEDタイプの大型の表示器は、日中の屋外での視認性が低く、電源が確保しにくいといった課題があった。大日本印刷ではこうした課題をクリアする「DNP電子ペーパー(E Ink方式)」を開発。最適な利用方法を探る中で、分析計の専門メーカーである京都電子工業が提供する熱中症指標計の強みを組み合わせ、熱中症注意喚起ボードを開発した。
今後両社は、スポーツ施設やイベント企画会社などに向けて熱中症注意喚起ボードを販売し、2020年度にはシステム全体で10億円の売り上げを見込む。
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