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飛行距離2000km!テラ・ラボが災害対応の長距離無人機“空飛ぶイルカ”を開発中:Japan Drone2022(2/2 ページ)
気候変動の影響のためか、このところ日本各地で、大雨や台風などの自然災害が頻発するようになってきている。テラ・ラボのドローン「テラ・ドルフィン」(別名:“空飛ぶイルカ”)は、災害発生後に被災地の状況を迅速に把握するために開発された機体。
eVTOLやジェットエンジンなど、最適な選択ができる4機のMPP機
TERRA Dolphin 8000 model以外にも、「TERRA Dolphin 4300 MPP model」の4機も展示した。MPPは、“Multi Purpose Platform”の略で、多目的に対応した機体を意味する。TERRA Dolphin 4300 MPP modelは、4300ミリの固定翼を備え、ジェットエンジンや2サイクル120cc、4サイクル80cc(電子制御燃料噴射装置)、さらに水素燃料電池の垂直離着陸(VTOL)タイプなど、さまざまな利用環境に対応したバリエーションを展開している。
垂直離着陸モデルは、「TERRA Dolphin 4300 eVTOL model」で動力源は全て水素燃料電池を採用。最高速度は毎時150キロで、飛行時間は2時間、航続距離は200キロ。垂直離着陸のため、固定翼でありながら滑走路を必要としない利点がある。既にテスト飛行を完了しており、2023年度の実用化を目指している。
このほか、テラ・ラボのブースでは、代表取締役 松浦孝英氏らによるプレゼンテーションも開催。また、機体紹介に加えて、TERRA Dolphinのコンセプトムービー「空飛ぶイルカ」も上映した。
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