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継手部の配筋を省いたプレキャスト床版継手が公共工事で初採用、日鉄エンジニアリング:導入事例
日鉄エンジニアリングは、極東興和とともに開発したプレキャスト床版継手「ELSS Joint(エルスジョイント)」が、宮城県石巻市の橋梁「崎山橋」の公共工事に採用されたことを公表した。
日鉄エンジニアリングは、極東興和とともに開発したプレキャスト床版継手「ELSS Joint(エルスジョイント)」が公共工事に初めて採用されたことを2022年7月7日に発表した。
ELSS Jointを用いた床版構造の安全性に問題がない事を確認
ELSS Jointは、従来の鉄筋を用いたループ継手とは異なり、プレキャスト床版間に低剛性の専用材料を充てんするだけで、床版相互を半剛接合する新しい継手構造で、継目幅が狭いため、プレキャスト床版の幅を広げて施工枚数を減らせる。
さらに、継目部に鉄筋を使用することなく簡単な方法でつなげられるため、床版の現地施工を効率化する。
今回の公共工事では、宮城県石巻市の橋梁(きょうりょう)「崎山橋」にELSS Jointを導入した。加えて、ELSS Jointの構造安全性を検証するため、竣工した崎山橋に大型車両(総重量20トントラック)を走行させ、実橋の計測を行った。その結果、設計で想定した床版挙動と実橋床版の計測値はほぼ一致し、ELSS Jointを用いた床版構造の安全性に問題がない事を確かめた。
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