国土強靭化新時代へ 災害時にリアルタイムで情報共有するブイキューブのコミュニケーション電子地図:国土強靭化
災害発生などの緊急時での対応は、コミュニケーションの精度や効率性が問われる。ブイキューブでは、国土強靱化新時代に向け、リアルタイムな情報共有を支援する防災DXソリューション「V-CUBE コミュニケーションマップ」を自治体を中心に提供を開始した。
ブイキューブは、動画やオンライン通話の従来のコミュニケーション方法に加え、地図を使った視覚的機能を加えた「V-CUBE コミュニケーションマップ」を2022年7月から提供開始する。
V-CUBE コミュニケーションマップは、複数拠点で同時に起きている事案とそれらに紐(ひも)づくコミュニケーションを1つの地図上にまとめ、有事の際などには、強固なリアルタイムのコミュニケーションを実現する。
有事の迅速・的確・効率的なコミュニケーションへ貢献
内閣府が2021年に発表した「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」には、デジタル・防災新時代と称し、将来的な実現が望まれる施策としてリアルタイムの情報共有が対策の1つに数えられている。また、首都直下や南海トラフなど、今後国内において発生が想定される地震への備えも急務となっており、自治体や各機関で被害想定の算出や対応対策の検討が進んでいる。
しかし、これまでの防災対策では、非常時に本部と現場の連携がとりづらくなり、状況把握がそもそも難しい、無線などの音声情報だけだと、正確な情報が本部側でイメージできない、さまざまな情報が散在して重要度を計りづらい、操作が難しいシステムが多いといった適切な対応の障害となる課題が数多く存在した。
このような背景を受け、ブイキューブが緊急対策や防災ソリューションとして提供している災害など緊急時の情報共有のプラットフォーム「V-CUBE Board」や「V-CUBE コラボレーション」は近年ニーズが高まっているという。
今回のV-CUBE コミュニケーションマップは、V-CUBE BoardやV-CUBE コラボレーションといったプラットフォーム上で、リアルタイムコミュニケーションを支援するソフトウェア。従来の地図を使った災害対策システムとブイキューブのオンラインコミュニケーションの強みを融合させ、これまでは紙の地図の上に透明フィルムを貼って書き込みや付箋の貼り付けをして事案対応をしてきたが、デジタル地図上で効率的に行えるようになる。さらに、地図上から現地にいる担当者を呼び出せるなど、本部と現場のスムーズなコミュニケーションで有事の際の適切な対応をサポートする。
具体的な機能では、情報管理の面では、地図に全て情報を集約して表示し、複数の事案を視覚的にオペレーションする。画面上では、アサインされた人員や車両、現場の対応状況なども一元的に把握できる。
V-CUBE BoardとV-CUBE コラボレーションとの連携では、V-CUBE Board上で使用すると、その他の情報とならべて複数名で同時に確認可能となる。
V-CUBE コミュニケーションマップは、自治体を中心に、消防本部などでの、災害対応や火災などへの対応を求められるシーンで活用いただけます。V-CUBE コラボレーションでは、地図上に表示されている拠点や現場の担当者を直接呼び出し、リアルタイムに必要なコミュニケーションが図れる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- FM:竹中工務店とDATAFLUCTが業務提携、FM向けスマートビルのSaaS事業を創出
竹中工務店とデータサイエンスで街の課題を解決するDATAFLUCTは、資本業務提携を締結した。 - 防災DX:電源・配線不要で低照度で鮮明に構造物を監視するカメラを発売、OKI
沖電気工業は、同社が推進する防災DX事業の一環で、ソーラー発電駆動により外部電源が必要なく、夜間など暗い低照度環境でも照明を用いず鮮明に構造物を撮れる「ゼロエナジー高感度カメラ」と多種多様なセンサーで取得したデータを一括管理できるインフラモニタリングサービス「monifi」を開発した。今後は、防災DX事業全体で2022〜2024年度までの3年間で100憶円の売上を目指す。 - GIS:AIGIDが地下埋設物を3Dで可視化、地下工事に伴う埋設照会や立ち合いを省力化
AIGIDは、国土交通省のオープンデータ「国土交通データプラットフォーム」と、自治体広域エリア(千葉県柏市、静岡県三島市、大阪府富田林市)を対象に地下埋設物の3Dデータを可視化する実証実験を行った。 - “土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(10):【第10回】自然災害を未然に防ぐAI最新研究、降雨量や斜面崩壊を“LSTM”で予測
連載第10回は、自然災害の被害を未然に防ぐためのAI活用例として、水位や降雨量の予測などの最新研究を紹介します。 - “土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(9):【第9回】“鋼構造物の現場DX”をもたらす先端研究、機械学習のボルト締め付け判定など
連載第9回は、さまざまな業務制約に加えて、豊富な経験や専門知識も必要とされるインフラ鋼構造物の施工や維持管理の業務で、作業効率化や品質向上をもたらすAI活用について、多数の論文を参照しながら、先端研究を紹介します。 - “土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(8):【第8回】土木分野でのドローン活用の有用性と、利点をさらに引き出す“自律飛行技術”
連載第8回は、ドローンを土木分野で適用することの利点と、無人飛行であることの有用性をより引き出せる「自律飛行技術」について解説します。