ミサワホーム、次世代を育てる住まい提案の調査レポート:産業動向
ミサワホーム総合研究所は、コロナ禍を通じて生活者に起こった意識変化、および新型コロナウイルス感染症に罹患した家族が感じた住まいの困りごとについて調査し、次世代を育てる住まいの提案を「これからの時代に求められる住まいのあり方」としてまとめた。
ミサワホーム総合研究所は、ウィズコロナ、アフターコロナに求められる住まいや子育ての環境を考える目的で、Webアンケート調査を実施した。ミサワホーム総合研究所は、ミサワホームグループのシンクタンク。調査テーマは、「生活者の意識変化調査」と「住まいの困りごと」の2つだ。
コロナ禍を通じて生活者に起こった意識変化について尋ねた「生活者の意識変化調査」では、今後2年以内に戸建住宅の購入を検討中の年収400万円以上の人を対象とした。調査期間は、2021年3月31日〜4月8日。
全回答者のうち、72%が「在宅時間が増えた」、75%が「生活の価値観に変化があった」と回答した。衣食住の関心度は、部屋着・普段着が高まり外出着は低下し、在宅ワークの時間や心や身体の健康を重要視するという変化がみられた。家での時間(おうち時間)の増加に伴い、衣食住全てを充実させる傾向が強まっていることがうかがえるという。
「住まいの困りごと調査」については、新型コロナウイルスに自分自身または家族が罹患し、自宅療養の際に他の家族と同居していた人を対象とし、羅漢した当時に困ったことがらなどについて尋ねた。調査期間は、2021年11月30日〜12月4日。
同調査では、家庭内の感染者数について「部屋を隔離しているかどうか」で差が見られた。また感染時の困りごとの上位3項目は食事、トイレ、入浴であった(ただし自身が罹患した場合と家族の場合とで違いもあったと同社)。罹患後は、回答者の65%に行動変化があり、変化のあった生活シーンは買い物が25%、帰宅時が24%であった。
ミサワホームは、ミサワホーム総合研究所が2020年6月に実施した調査や、今回の調査で明らかとなった生活者のニーズ変化に対応するため、ホームコモンズ設計2.0」として一新した。「ホームコモンズ設計」は、ミサワホームが2012年に発表した、子どもの成長段階に合わせた空間デザインコンセプトで、今回は10年目にして「2.0」として刷新となった。
旧コンセプトと比較した変更ポイントは、下記の通りだ。
- 子ども中心の住まいから、家族全員を大切に考え、ストレスなく過ごせる住まいにシフトする。
- 状況やライフステージの変化に合わせて、これまで用途により使い分けていた空間を多用途に活用できるようにする。
- これまで勉強や仕事など決まった場所で行っていた活動は、状況にあわせてさまざまな場所で行えるように提案する。
ミサワホームでは、今後もより良い子育て環境を大切に考えながら、家族全員が主役になって、心身ともに健康で豊かに暮らすことのできる住まいを提案していく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 神戸市で病院と分譲マンションから成る延べ1.5万m2の複合施設を開発、ミサワホーム
ミサワホームは、京阪電鉄不動産や一輝会とともに、兵庫県神戸市で、分譲マンションと病院から成る複合施設「ASMACI神戸新長田」の開発を進めている。 - 飯田橋で地上24階建てのタワーマンションが竣工、屋敷内に自然を模した庭を設置
ミサワホームとトヨタホームは、東京都千代田区飯田橋で、計画を進めていた地上24階建てのタワーマンション「アルビオ・ザ・タワー千代田飯田橋」が竣工したことを明かした。 - ミサワホームのIoT活用の最新動向、50基のIoT機器を家に設置し課題を調査
ミサワホームは、モデルハウスに50基以上の住宅用IoT機器を設置し、各機器の問題と導入の課題を調査した。結果、IoT機器の中には互換性や通信規格の関係で相互接続できないものがあることやIoT機器の初期設定が難しいことが導入の障壁になっていることが明らかになった。 - リファイニングで築45年の旅館を耐震化、ミサワホームと青木茂建築工房
ミサワホームは、築45年の歴史を持つ老舗旅館にリファイニング建築による耐震改修および大規模リニューアルを実施した。リファイニング建築を提唱する青木茂建築工房とのコラボレーション事業第3弾となる。 - ミサワホーム、メンテナンス対応AI型チャットボット開発
ミサワホームは、住宅オーナーの問い合わせに自動でメンテナンス情報を提供するチャットボット「チャチャットサン」を開発した。メンテナンス対応目的のAI型チャットボットは業界初の試みとなる。 - 神戸市の“新長田駅南地区”で、ミサワホームらが病院とマンションの複合施設を2020年末に着工
阪神・淡路大震災で被災し、神戸市が震災復興の再開発を進める「新長田」駅南地区の大橋7第2工区で、ミサワホームらが特定建築者予定者に選出された。計画では、病院と分譲マンションの新たなランドマークの完成を2023年に目指し、2020年12月に工事に着手する。 - ミサワホームが再生建築手法「リファイニング建築」に注力、100%子会社「MAリファイニングシステムズ」設立
ミサワホームは、リファイニング建築の設計・コンサルティングを事業展開する新会社「MAリファイニングシステムズ」を設立した。代表取締役にはミサワホーム取締役専務執行役員の作尾徹也氏が就任し、取締役にはリファイニング建築の提唱者である建築家・青木茂氏を招く。営業開始は2019年6月1日の予定。 - 飛島建設ら3社が“木材活用”の地盤補強工法で、日本建築センターの評定を初取得
飛島建設、住友林業、ミサワホームの3社が共同開発を進める「丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法(LP-SoC工法)」が2019年度にも実用化されそうだ。同工法は、自然の丸太を地中に打設することにより、軟弱地盤の補強と炭素の貯蔵を同時に施すもので、地球環境対策や国産材の利用拡大につながると期待される。