神戸市の“新長田駅南地区”で、ミサワホームらが病院とマンションの複合施設を2020年末に着工:プロジェクト
阪神・淡路大震災で被災し、神戸市が震災復興の再開発を進める「新長田」駅南地区の大橋7第2工区で、ミサワホームらが特定建築者予定者に選出された。計画では、病院と分譲マンションの新たなランドマークの完成を2023年に目指し、2020年12月に工事に着手する。
兵庫・神戸市が計画を進める「新長田」駅南地区の医療法人と連携した病院と分譲マンションの複合施設建設で、ミサワホームが、医療法人の一輝会、京阪電鉄不動産とともに特定建築者予定者に選ばれた。
医療と住宅による複合的なランドマークを新設
対象となる再開発事業の名称は、「新長田駅南第2−C地区震災復興第二種市街地再開発事業(大橋7第2工区)」。所在地は、兵庫県神戸市長田区大橋町7丁目1の1で、敷地面積は3736.7平方メートル。JR神戸線、地下鉄山手線、地下鉄海岸線の3線の結節点となっている「新長田」駅から徒歩約5分の立地。
神戸市では2019年7月31日に、特定建築者の公募型指名競争入札を執行し、応札した2者のうち、ミサワホームらが19億1216万円で落札。今後は、都市再開発法上の所定手続きを行い、特定建築者として正式に決定する。
公募時の計画では、RC造(一部S造)地下1階/地上14階建て、延べ床面積約1万2660平方メートルの複合施設の建設を構想。各階の構成は、1〜5階を病院、6〜14階を分譲マンションとし、2023年2月以降の竣工を目指し、2020年12月に着工する見通しだ。
地区一帯は、1995年に発生した阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けたエリアに相当し、市街地の復興と防災公園などを中心とした防災拠点の構築や良質な住宅の供給、地域の活性化、都市機能の整備などがこれまで進められてきた。
市では、こうした都市再生に当たり、都市再開発法に基づく「特定建築者制度」を導入。公募によって決定した民間事業者などは自らの負担・ノウハウで計画を立てられ、応募の際に提出した建築計画に沿って建設した後は、事業用地の権利を取得し、分譲マンションも含めた建物の所有・運営なども行えるというメリットがある。
ミサワホームは、代表事業者として総合企画を担当し、医療機関と連携しながら、医療・健康・予防サービスを提供する病院と分譲マンションの複合施設を新築する。さらに、広場を活用した地域連携による賑(にぎ)わいも生み出し、地域の人々が健康で安心して生活できる拠点となることを目標に掲げる。
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