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ミサワホームのIoT活用の最新動向、50基のIoT機器を家に設置し課題を調査OPTiM INNOVATION 2020(1/3 ページ)

ミサワホームは、モデルハウスに50基以上の住宅用IoT機器を設置し、各機器の問題と導入の課題を調査した。結果、IoT機器の中には互換性や通信規格の関係で相互接続できないものがあることやIoT機器の初期設定が難しいことが導入の障壁になっていることが明らかになった。

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 オプティムは、建設分野で役立つAI・IoTソリューションの最新活用事例などを紹介するイベント「OPTiM INNOVATION 2020(会期:2020年10月26〜27日)」をオンラインで開催した。

 会期中に、繰り広げられたセミナーの中から、「ミサワホーム総合研究所が見据える住宅×IoTの未来」をレポートする。

 会場では、ミサワホーム総合研究所 領域創生センター長 林康治氏が、「家を造ること」をテーマに、「木質接着パネル構法」を紹介した後、「人が住まうこと」を主題にIoT住宅の取り組みを説明した。

木質接着パネルは従来品と比べてせん断耐力は約1.3倍


ミサワホーム総合研究所 領域創生センター長 林康治氏

 冒頭、林氏は、「ミサワホームでは、工場で製造した大小さまざまな木質接着パネルを活用し、戸建て住宅を建設している。部材の工業化をしている理由は、天気に左右される現場ではなく、屋根の付いた工場で部材を製造することで、品質を一定に保てるからだ。現場における作業工程の単純化にもつながり、どのような大工でも、家を均一な品質に建てられる」と語った。

 使用する木質接着パネルは、芯材や面材などを接着剤で固定し製造されており、芯材などの配置はモジュラー・コーディネーションで最適化されている。コンパクトながら断熱性も高く、標準品でも従来品と比べて約1.3倍のせん断耐力を誇る。


木質接着パネル 出典:ミサワホーム

 木質接着パネル構法は、木質パネル同士を強力な接着剤で接合し、スクリュークギでクギ留めすることで、強固なモノコック構造で建物を仕上げる。林氏は、「当社の木質接着パネル構法は、2階建てでも3階建てでも構造は変わらない。利点としては建築コストが上がりにくいことが挙げられる。S造の住宅は通常、3階建てになると軽量S造から重量S造になり大きくコストアップする」とメリットに触れた。


「木質接着パネル構法」で実現するモノコック構造のイメージ 出典:ミサワホーム

 また、南極昭和基地の建物にもミサワホームの木質接着パネル構法が採用されている。現在までに、南極昭和基地内にある36棟で木質接着パネル構法が活用されており、総延べ床面積は5900平方メートルに及ぶ。

 林氏は、「木質接着パネル構法が南極昭和基地に導入された理由には南極の環境が関係している。南極は、マイナス45度で、風速60メートルのブリザードが吹き、建物には優れた断熱性や気密性が求められていた。加えて、南極昭和基地では、建築に知見の無い隊員が人力により建物を施工するため、施工性と軽量性に優れた構法が必要だった。これらのニーズを満たしていたので、当社の木質接着パネル構法が採用された」と経緯を述べた。

 現在、ミサワホームは、木質接着パネル構法を利用した住宅の建設で、オプティム製の遠隔臨場サービス「Smart Field」を試行し、業務の効率化を図れるかも検証している。Smart Fieldは、現場の作業者がスマートフォンやタブレット、スマートグラスで取得した映像と音声を遠隔地にいる管理者のPCに共有できるもの。ミサワホームでは、現場にいるスタッフへの作業指示や教育などでSmart Fieldを利用している。


ミサワホームの「Smart Field」の利用イメージ 出典:ミサワホーム

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