インフラ分野のDXを実現するアクションプランを策定、国土交通省:インフラDX(3/3 ページ)
国土交通省は、インフラ分野のデジタル・トランスフォーメーションの取り組みを横断的に推進するために、個別施策の目指す姿と工程などをまとめた「インフラ分野のDXアクションプラン」を策定した。インフラ分野のDXアクションプランでは、インフラでDXを実現するために、国土交通省が所管する各分野の施策を洗い出し、インフラ分野のDXを達成する取り組みと実現する「具体的な工程(2025年度まで)」や「利用者目線で使える事項」をまとめた。
24時間365日対応のWebシステムにより各種手続きをリモート化
今回のアクションプランでは、インフラ分野のDXで目指す姿として、「手続きなどいつでもどこでも気軽にアクセス」「コミュニケーションをよりリアルに」「現場にいなくても現場管理が可能に」を公表している。
手続きなどいつでもどこでも気軽にアクセスでは、24時間365日対応のWebシステムにより各種手続きをリモート化することで、行政機関に出向かなくとも、利用者の自宅や事務所から手続きが行えることを目標に、紙の書類に関する準備も最低限とし、タッチレスでの手続きを達成して、新型コロナウイルスの感染防止にもつなげる。
コミュニケーションをよりリアルにでは、建設生産プロセス(設計・施工)における受発注者間と現場の受注者間といった関係者間で、3次元などのデジタルデータやデジタルデバイスの活用によりコミュニケーションを促進することで、作業の効率化、高度化、省力化、作業員、住民の安全性と利便性を向上させる。
加えて、国土交通省を含めた関係機関が持つインフラのデータを公開し、活用しやすい環境作りを進めることで、データを利用した国民に対するサービスの高品質化と新たなサービスの創出を支援する。
現場にいなくても現場管理が可能にでは、施工現場に担当者が不在でも建設機械が自動で自律施工を行い、出来形・品質検査なども自動化し、遠隔でのコントロールに対応することで、建設従事者の肉体的・精神的な負担を軽減し、省人化と従事時間の短縮につなげ、工事を効率化し、確実性や作業精度を高める。こういった取り組みにより生産性向上や現場環境の改善を進め、働き方を変革し、若手入職者を確保する。
また、各地方整備局では現在、VRを用いた研修・現場見学会、3D管内図とメタバース(仮想空間)を用いたリアルなコミュニケーションを実現する取り組み、建設現場、施工、維持管理を遠隔化・省力化する施策などを行っている。
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