物流施設の床結露発生の危険を事前に施設管理者へ知らせるシステムを開発、戸田建設:リテール&ロジスティクス
戸田建設は物流施設向けの床結露警報システムを開発した。床結露警報システムは、施設内に設置した各種センサーで計測したデータを基に、床結露発生の危険を事前に施設管理者へ知らせるもの。今回のシステムを施設に導入する事で、施設管理者は対策を講じられ、低コストで床結露による被害が抑制され、品物や荷物などの安全な保管に貢献する。
戸田建設は物流施設向けの床結露警報システムを開発したことを2022年5月17日に発表した。
結露発生時の各種環境データを確認可能
物流施設では、除湿空調設備を配置していない場合に、開口部の開閉などで床に結露が発生する事がある。要因は、地熱などで冷却された床表面に、湿気を多く含んだ外気が流れ込むことだとされている。一方、地球温暖化の影響により、外気温度と湿度の上昇が予想され、床表面の結露発生の頻度は高くなる可能性もあり、施設を管理する上で結露被害への対策が求められている。
そこで、戸田建設は物流施設向けの床結露警報システムを開発した。床結露警報システムは、中央監視盤、制御盤、アラーム表示器、外気露点温度センサー、室内温湿度センサー、放射温度センサーで構成されており、3種類のセンサーによる計測値をベースに同社独自のしきい値を設定し、軽警報、重警報、換気禁止のアラートを発信する。
軽警報は外気露点温度が床表面温度を超える場合(結露が発生する前)に出力し、重警報は室内露点温度が床表面温度を超過した際(結露が発生する条件がそろった状態)にアウトプットする他、換気禁止は、室内の湿度上昇を防止するために、外気露点温度が室内露点温度より高い場合に発報される。
床結露警報システムを運用するメリットは、警報を基に湿気を多く含んだ外気の流入を遮断するため、換気ファンの停止やシャッターを操作することで、結露被害を最小限にできる点。さらに、室内の湿度上昇を防止する目的で換気ファンを運転することが可能になるだけでなく、床結露発生時の各種環境データを確かめられる。
既に、戸田建設では、物流施設に床結露警報システムを導入し効果を確認している。今後は、システムの研究開発を進め、より効果的な結露防止対策とする。
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