五洋建設がシンガポールで地下鉄トンネル・駅舎工事を受注、受注金額は約447億円:プロジェクト
五洋建設は、シンガポールシンミン地区で地下鉄「トムソン・イーストコースト・ライン」の「ブライトヒル」駅(2021年8月供用開始)に直結する上下線2本のシールドトンネルや地下駅舎などの工事を進めている。
五洋建設は、シンガポール陸上交通庁から「クロスアイランド・ライン(地下鉄)CR117工区」の工事を単独で受注したことを2022年4月11日に発表した。
価格面や高水準の施工管理などを評価
シンガポールのクロスアイランド・ラインは、シンガポール東部のチャンギ地区から同西部のジュロン地区を東西に結ぶ約50キロの地下鉄となる見込みで、第1期区間の約29キロ(12駅)は2030年の開通を予定している。12駅のうち4駅は、他路線との乗り継ぎ駅となるため利便性が高く、将来的には10万世帯を超える住民の利用が見込まれる。
受注した工区で、五洋建設は、地下鉄「トムソン・イーストコースト・ライン」の「ブライトヒル」駅(2021年8月供用開始)に直結する上下線2本のシールドトンネルや地下の駅舎などを構築する見通しで、受注金額は約447億円。
また、開発地では、シンガポールの中央(シンミン地区)に位置しており、とくにシールドトンネル工事では高い安全性と環境の維持が求められる。受注に当たっては、価格面だけでなく、当該工区の駅舎と接続するトムソン・イーストコースト・ライン「ブライトヒル」駅とシールドトンネル建設工事(T211工区)における高水準の施工管理や安全管理が評価された。
さらに、現在、シンガポール陸上交通庁の発注工事として、トムソン・イーストコースト・ライン「オーチャード」駅のT219工区やノースサウスコリドー高速道路のN105工区、高速輸送システム(RTS)のT232建設工事で施工を進めている。
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