日立ビルシステムがシンガポールで公共住宅向けエレベーターで300台を納入:導入事例
日立製作所と日立ビルシステムは、シンガポールの公共住宅を対象にした入札で、エレベーター300台の案件を落札した。
日立製作所と日立ビルシステムは2020年9月2日、シンガポール共和国の昇降機販売・サービス会社であるHitachi Elevator Asia(日立エレベーターアジア)を通じて、シンガポール・住宅開発庁(HDB)の住宅向けエレベーター300台の納入案件を受注したことを明らかにした。
今回の案件は、シンガポールでの日立グループの昇降機納入案件としては、2019年のHDB住宅向けエレベーター300台と並ぶ過去最大級の規模。HDB住宅は、シンガポールの8割以上の住民が暮らすとされる公共住宅。日立エレベーターアジアは、今回の案件獲得により、2020年度に、シンガポールでの昇降機新設台数シェアトップ3を堅持することを目指す。
日立エレベーターアジア社長のビクター・シア氏は、「当社の人財、製品、サービスに対するHDBからの変わらぬ信頼を得たことを誇りに思う」としつつ、今回の受注で、HDBとの関係をさらに深めるとともに、HDB住宅の開発の一翼を担うことで、今後何年にもわたり、住民にサービス提供できることを期待しているとコメント。
日立エレベーターアジアは、2019年のHDBによる住宅向けエレベーター300台の入札をはじめ、シンガポール国立大学やチャンギ国際空港、さらにはシンガポールで最も高いビルのグオコタワー(旧・タンジョンパガーセンター)など、同国内の代表的な施設にエレベーターやエスカレーター、動く歩道を納めてきた。
また、2019年10月1日には、エレベーターの稼働データを遠隔でリアルタイムに収集し、日本の管制センターと各国に設置する管制端末で稼働状態を監視して、データ分析結果を基にした予防保全を実現する高度な遠隔監視・保全サービスの提供も開始している。万一の故障発生時には、エレベーターから異常信号と詳細データが発信され、日本の管制センターおよび各国の管制端末で受信すると同時に、各国の管制端末から現地の保全エンジニアに指示が送信され、エンジニアが即時出動して対応するという。
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