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水害対策として軽量で取り付け容易な止水板を発売、UACJ押出加工:製品動向
UACJ押出加工は、2020年度の全社新製品開発企画で、UACJグループの有志メンバー7人で結成されたチームにより提案された商品企画をベースに止水板「水用心」を開発した。
UACJの連結子会社であるUACJ押出加工は、豪雨時の浸水を防ぐ止水板「水用心」を企画・開発し、2022年4月に販売開始することを同年2月18日に発表した。
水用心の標準的モデルを300セット限定で販売しながら顧客価値や事業性を確認
同社は、新規事業領域創出活動の中で、気候変動の影響でゲリラ豪雨などにより増加している水害への解決手段として、水用心を開発した。
具体的には、2020年度の全社新製品開発企画で、UACJグループの有志メンバー7人で結成されたチームにより提案された商品企画がベースになっている他、UACJ押出加工が行うトラック用アオリ材の製造過程で使用される「押出の形状でつなぎ目をずれにくくする技術」などを応用し水用心を商品化している。
水用心は、土のう不要で軽く、市販のダブルクリップを使用して、一人でも容易に取り付けられるといった利点がある。さらに、現在、水用心の標準的モデルを300セット限定で販売しながら顧客価値や事業性を確認している。この販売結果も考慮し、2022年4月から個人や法人を対象に本格的に発売する。
また、UACJでは、2021年に発表した「第3次中期経営計画」の中で、成長への基盤強化を目的にした取り組みの1つとして、「新規領域の創出」を目標に掲げ、水用心のような開発企画を後押しし、同年には社内ベンチャー制度「UACJ Innovators」を創設して、製品開発を推進している。
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