富山県高岡市で延べ1.6万m2のマルチテナント型物流施設が着工、大和ハウス:リテール&ロジスティクス
大和ハウス工業は、富山県高岡市でマルチテナント型物流施設「DPL富山高岡」の開発に着手したことを2022年3月3日に公表した。
大和ハウス工業は、富山県高岡市で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL富山高岡」が2022年3月14日に着工することを発表した。
北陸自動車道「高岡砺波スマートIC」から約1.2キロに位置
北陸地方では、コロナ禍の影響による巣ごもり消費の拡大で、ドラッグストアの出店数増加が進み、商品を保管・流通加工する物流施設の需要が堅調に伸長している。とくに、富山県は、北陸自動車道や能越自動車道、東海北陸自動車道により北陸地方全域や東海地方(愛知県と岐阜県)へ短時間でアクセス可能なため、物流施設の開発が進んでいる。
こういった状況を踏まえて、大和ハウス工業でも、2021年5月に、富山県射水市で北陸地方初となるマルチテナント型物流施設「DPL富山射水」を開発した。DPL富山射水は、北陸地方全域や東海地方への交通利便性の高さが評価され、竣工から8カ月後に満床となった。
上記施設が多くのテナントに高く評されたことを考慮し、富山県高岡市で、最大3社のテナント企業が入居するマルチテナント型物流施設であるDPL富山高岡の開発に着手した。
開発地は、北陸自動車道「高岡砺波スマートインターチェンジ(IC)」から約1.2キロに位置するため、富山県内のみならず、北陸地方全域や東海地方へも短時間で到着する他、産業団地「ICパーク高岡」内に開発するため、産業団地内の工場で生産する商品の保管場所としても使える。
DPL富山高岡は、洪水や地震、台風などの自然災害リスクが低く、BCPに対応した安全な物流施設で、浸水対策のため、高岡市が2020年3月に公表した「高岡市洪水ハザードマップ」の予想浸水高よりも、床面を高く設定している。
さらに、富山県は過去30年間の震災回数が全国最小※1であるとともに、過去10年間の台風などによる水害被害額が最も低い都道府県の1つであることから※2、北陸エリアにおける重要な商材や災害用備蓄品などを配送する物流拠点にも適す。
※1 富山県は過去30年間の震災回数が全国最小:気象庁が発表した1991年から2020年までの震度3以上の地震の回数。
※2 水害被害額が最も低い都道府県の1つ:2009年から2018年までの水害累積被害額。国土交通省「水害統計」より。
建物は平屋建てのマルチテナント型物流施設。マルチテナント型物流施設は、テナント企業が建設費や維持管理費を抑えて物流事業を展開できる。加えて、特定の企業専用に建設するBTS型物流施設と比べ、事業開始までの期間を短縮し、物流ニーズの多様化により、急速に変化する事業環境の中でスピーディーな事業展開を後押しする。
DPL富山高岡の概要
DPL富山高岡は、S造平屋建てで、延べ床面積は1万6756.33平方メートル。所在地は富山県高岡市ICパーク1番で、敷地面積は2万9844.04平方メートル。賃貸面積は1万6576.69平方メートル。設計・施工は塩谷建設が担当し、着工日は2022年3月14日で、竣工と稼働は2023年2月28日を予定している。
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