三井不動産が新たに物流施設を7件開発、総延べ床面積は約390万m2に:プロジェクト(1/3 ページ)
三井不動産はこのほど、新たに物流施設を7件開発することを発表した。新規開発施設7物件を含めた三井不動産の物流施設は、合計47物件で、総延べ床面積は約390万平方メートルに及び、累計投資額は約6100億円に達する。
三井不動産は2021年3月4日、都内で同社のロジスティクス事業に関する記者説明会を開催した。会場では、三井不動産 常務執行役員 ロジスティクス本部長 三木孝行氏が、これまでの主な取り組みや新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い変化した事業環境、新規開発の物流施設を紹介した。
物流フルオートメーションモデルを千葉県船橋市の物流施設に実装
同社は2012年、わずか10人で構成される物流施設事業部を発足し、2015年にロジスティクス本部として独立。2016年に三井不動産ロジスティクスパークとして上場した。2021年2月末時点で、開発を手掛けた物流施設31件(総延べ床面積約250万平方メートル)が稼働済みで、加えて、2022年1月までに開発を進めている「MFLP鳥栖」「MFLP所沢」「MFLP船橋III」「MFLP大阪交野」「MFLP市川塩浜」といった5つの物流施設も稼働する見込みだ。
新型コロナウイルス感染症の拡大で変化した事業環境について、同社の三木氏は、「コロナ禍で、物流施設は、生活インフラとしての収益安定性が評価され、参入事業者が増え、用地取得の競争が激化している。利用者のニーズについては、EC(Electronic Commerce、電子商取引)市場の成長に伴い、新たな物流施設の賃貸需要が発生している。また、ICTを活用した物流施設の自動化と機械化も求められている。ラストワンマイル(一般消費者への物流)配送が可能な施設を必要とする利用者も少なくない」と説明した。
上記のような需要を踏まえて、三井不動産は、「機械化倉庫の実現」「デジタル倉庫の実現」「ミクスト産業施設の拡大」「物流系スタートアップ企業との連携強化」「データセンターなどのBTS(Build To Suit、建物賃貸借方式)事業強化」「冷凍冷蔵倉庫の展開」「アーバン型MFLP(Mitsui Fudousan Logistics Park、同社の物流施設ブランド)の展開」「ESG(Environment、Social、Governance)への取り組み強化」「ワークプレースのさらなる進化」「感染症対策の強化」にチャレンジする。
機械化倉庫の実現について、三木氏は、「千葉県船橋市の物流施設“MFLP 船橋・&GATE”内に設けたショールーム“MFLP ICT LABO 2.0”で展示しているた物流フルオートメーションモデルを2021年6月に船橋市で竣工予定の物流施設“MFLP船橋III”に初実装する」と語った。
デジタル倉庫の実現では、物流施設のオプションとして、ICTを用いた倉庫内業務の効率化サービスを開発する。「サービスでは、広角レンズカメラを施設内に設置し、倉庫内のモノと人を撮影して、ビーコンで位置を把握するソリューションや施設内に誰が入ったかを見える化する顔認証システム、作業者が近づいた時だけ点灯するセンサー付きLED照明、建物内のトイレとカフェテリアの混雑を可視化するシステムの提供を見込んでいる」(三木氏)。
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