インフラ設備点検にハイボットの革新的なロボット技術を活用:ロボット
RaaS事業を展開するハイボットは、ベルギーの検査・認証団体Vincotteと協業関係を結んだことを発表した。Vincotteが行う点検業務に、ハイボットの最先端ロボット技術を導入する。
RaaS(Robot as a Service)事業を展開するハイボットは2021年12月15日、ベルギー国から認可を受けている検査・認証団体Vincotteと協業関係を結んだことを発表した。これにより、Vincotteはハイボットが開発するヘビ型点検ロボット:Float Arm(フロートアーム)や配管点検ロボットなどを導入し、事業領域であるベルギー、オランダ、ルクセンブルクを中心とした各ヨーロッパ地域に事業展開することが可能となる。
Float Armは、多関節機構を備えることで密集した障害物を避けながら動作し、人が行うには難易度の高い圧力タンクの内部検査をより高精度に行う技術だ。一方、配管点検ロボットはボイラ設備のヘッダードラムから検査対象の水管に挿入し水管の肉厚を計測できる。同ロボットを用いることで、これまで数週間要していた点検に係る準備時間を数日にまで削減可能だという。
今回はVincotteで初となるFloat Armの稼働実験を実施。今後は実際の案件でFloat Armおよび配管点検ロボットの稼働実験をする計画だ。最終的なゴールは、資格を持った非破壊検査スペシャリスト集団を結成し、ロボットを活用した検査が行える体制を構築することだという。
ハイボットはこれまでAIを搭載した遠隔操作ロボットを製造・開発し、人間を過酷な環境での現場作業から解放する製品を提供。同社が製造してきたロボットは、捜索・救助活動や福島第一原子力発電所の廃炉作業などの現場に利用されている。
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