図面閲覧の「CheX」と仕上げ検査用「LAXSY」がビジネスチャット「LINE WORKS」と連携:製品動向
図面閲覧の「CheX」と仕上げ検査用「LAXSY」の両アプリが、ビジネスチャット「LINE WORKS」と連携を開始した。連携により、CheXまたはLAXSYの図面更新や指摘事項の記入が、即時にLINE WORKSを通じて関係者に通知することが可能になった。
YSLソリューションとワークスモバイルジャパンは、YSLが提供する建設業向け図面閲覧アプリ「CheX(チェクロス)」と仕上検査支援アプリ「LAXSY(ラクシー)」と、ワークスモバイルジャパンのビジネス現場のコミュニケーションツール「LINE WORKS」が2021年11月1日に連携を開始した。
建設図面や指示の最新情報を「LINE WORKS」で共有可能に
CheXは、図面や施工要領書など多様なドキュメントをペーパレス化し、事務所に戻らずに、欲しい図面や書類をすぐに閲覧するほか、電子黒板機能でデジカメや黒板などの持ち歩きからの解放、図面の手書きメモや撮影写真の集約など、これまでの紙図面では実現できなかった建設現場の新しい働き方を提供するアプリ。
一方のLAXSYは、建物の仕上検査をはじめとする検査業務に特化したアプリ。仕上検査で必要となる紙図面の用意や不具箇所の撮影、図面のチェック、業者ごとの是正指示書の出し分け、是正状況の管理といった紙ベースでは煩雑で手間がかかっていた仕上検査業務を効率化する。
現在では両アプリは、毎月約1万4000の現場で延べ14万人のユーザーを有するYSLの建設業界向けソリューション「YSL APPS」の主力製品。多くの建設会社などの現場で、図面閲覧や指摘事項の共有などのコミュニケーションツールとして活用されている。
LINE WORKSは、チャットやスタンプ、掲示板、カレンダー、アドレス帳、アンケートなど、現場で活用できる充実したグループウェア機能を備えた30万社以上に導入されているビジネスチャット。提供元のワークスモバイルジャパンによれば、導入企業の16.2%は建設業が占めるなど、大手ゼネコンから中小の工務店まで幅広い業態で利用され、プロジェクトチーム内や協力会社とのコミュニケーションの円滑化による業務効率向上を支援する。
今回の両システム連携により、iOSとiPadOS版のCheXやLAXSY上で図面更新や指示メモが記入されたら、LINE WORKSを通してタイムリーに関係者に通知できるようになった。具体的には、CheX/LAXSY内のフォームからコメントを送信すると、LINE WORKSのトークにCheX/LAXSYからのコメントが通知される。LINE WORKSに通知されたトーク内のリンクをタップすることで、CheX/LAXSYの図面が開く。
連携の背景には、建設業に欠かすことのできない図面や作業指示は、施工工程中も頻繁に変更しており、万一、変更前の図面や作業指示のまま施工が進行した場合は、手戻りが発生し、生産性を著しく低下させてしまうリスクを解消することが目的としてあった。
リスク回避のために、最新情報の即時かつ確実な共有が可能となる建設現場のコミュニケーション基盤構築を目指し、CheX/LAXSYとLINE WORKSの連携が実現した。CheX/LAXSY上で行われる図面の更新や新たな指示の記載が、即時にLINE WORKSで関係者に通知される。
また、LINE WORKSは、通知の既読や未読を把握できるため、確実に最新情報が伝わっているかも分かる。加えて、LINE WORKSのチャット(トーク)にはリンクの他に、対象となる図面のサムネイルも添付され、拡大プレビューに応じているので、LINE WORKS上でも図面を閲覧できる。
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