不動産物件を3DCGで仕上がりイメージを提案、プロカメラマンが起業した「バーチャルステージング」サービス:住宅ビジネスフェア 2021(2/2 ページ)
BoxBrownie.comの不動産に特化したビジュアルマーケティングサービスは、空室の物件写真に家具を配置したり、壁紙や床などを変更したりして、見込み客に対して使用時のイメージを強く喚起させる。コロナ禍で対面での打ち合わせが制約を受ける現状では、不動産物件の仕上がりイメージを3DCGで作り上げる「バーチャルステージング」は、有効な不動産提案の手法になり得ると期待されている。
不動産業をよく知るカメラマンらが起業
BoxBrownie.comのサービスは、作業内容ごとに単価と作業時間が明記されているのが特徴だ。このため、予算やWebでの公開日、依頼する写真点数などを総合的に判断した最適な依頼が可能になる。サービス内容に関しても、単なる画像処理やパース制作ではなく、不動産業での利用を前提としている。
不動産業にフォーカスしたサービスは、BoxBrownie.comが不動産を専門とするカメラマンらによって起業されたことによる。共同創業者の一人であるBrad Filliponi氏は不動産関係のプロカメラマンとして長年の経験があり、その仕事を通じて不動産業における画像処理にマーケットチャンスを見いだした。ちなみに、CEOを務める共同経営者のMel Myers氏は、オーストラリアで最年少の12歳で大学に入学したことでも知られる。
冒頭で触れたように、新型コロナウイルスの影響で不動産市場には変化が起きている。BoxBrownie.comでは、問い合わせも急増し、バーチャルステージング化の物件受注が70%増加しているという。
この流れを受け、BoxBrownie.comでは2021年3月に主力サービスであるバーチャルステージングの料金を大幅に下げた。利用者にとっては、年間で数万円〜10万円のコスト削減が期待できるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- VR:“脱モデルルーム”が実現するクラウド型VR内覧、関内の新築マンションギャラリーで採用
日鉄興和不動産は同社初となる新築マンションの「体験型VRモデルルーム」に、スタイルポートのクラウド型VR内覧システム「ROOV walk」を採用した。モデルルームを作って見せるという既存のマンション販売の在り方を変革し、非接触が求められるコロナ禍でも有効な販売戦略の一つと位置付けている。 - VR:住まいの総合ギャラリー「イニシアラウンジ三田」がVR内覧を活用
スタイルポートは、開発・展開を行うオンラインマンションギャラリー「ROOV(ルーブ」が、コスモスイニシアによる住まいの総合ギャラリー「イニシアラウンジ三田」に全面採用されたことを発表した。 - 産業動向:住まい選びに関する意識調査、VR内覧をすればモデルルームの見学が不要な人は50.8%
スタイルポートは、インターネットアンケートで、1年以内に新築マンションを契約したことがあるか、もしくは購入を検討している315人にVR内覧を活用した住まい選びに関する意識調査を行った。調査結果によれば、「VR内覧を見れば、モデルルームに行く必要は無い」と回答した人が全体の50.8%に上ることが明らかになった。 - VR:SUUMOがリニューアル、完工前の住戸をVRで体験
リクルート住まいカンパニーは、同社が運営する不動産情報サイト「SUUMO」のリニューアルを実施した。モデルルームの即時予約機能や住戸情報の充実、完工前住戸の室内イメージVR表示などにより、SUUMOユーザーの利便性をより高めた。 - 電子ブックレット(BUILT):【独占取材】積水ハウスDX戦略の全て――“不動産ブロックチェーン”や一気通貫CAD
ウェブサイトに掲載した記事を印刷しても読みやすいPDF形式の「電子ブックレット」にまとめました。無料のBUILT読者会員に登録することで、ダウンロードすることができます。今回紹介するのは、積水ハウスの先端的な取り組みを独自に取材した4本の記事を1冊にまとめました。 - VR:Web上で不動産物件の“ウォークスルー”体験を可能にするVR内覧、LIRが全支店に導入
不動産仲介・販売企業のリストインターナショナルリアルティ(LIR)は、VR内覧システム「マーターポート3Dリアリティーキャプチャープラットフォーム」を2019年1月から全支店で導入した。現在は扱う物件のうち、60件でVRシステムを導入。Webブラウザ上やスマートグラスなどで、部屋の隅々までリアリティーある仮想空間上で確認することができる。