Web上で不動産物件の“ウォークスルー”体験を可能にするVR内覧、LIRが全支店に導入:VR
不動産仲介・販売企業のリストインターナショナルリアルティ(LIR)は、VR内覧システム「マーターポート3Dリアリティーキャプチャープラットフォーム」を2019年1月から全支店で導入した。現在は扱う物件のうち、60件でVRシステムを導入。Webブラウザ上やスマートグラスなどで、部屋の隅々までリアリティーある仮想空間上で確認することができる。
リストインターナショナルリアルティ(LIR)は、不動産物件を対象にしたVR内覧システム「マーターポート3Dリアリティーキャプチャープラットフォーム」を2019年1月から全支店で導入したと公表した。
Matterport社のスキャニングVR技術を採用
LIRが提供するVR内覧システムは、米・Matterport(マーターポート)社の「マーターポート3Dリアリティーキャプチャープラットフォーム」を採用している。Matterport社のVR技術は、3Dスキャンカメラと画像合成処理、配信クラウドサービスから成る。
高度な3Dキャプチャーと画像合成処理の技術で、物件の室内空間を全自動でスキャニングして3次元空間を生成する。従来のVR映像に比べ、目が感じる違和感をできる限り払拭。現実の室内空間の中を実際に歩いているような“ウォークスルー体験”を映像酔いせずに得られ、実際に目で見るのと同じくらい正確な距離感が再現される。
VR内見の閲覧方法は専用Webページの他、手持ちのスマートグラスなどで、内覧に行く時間が無かったり、遠方に居住していても、物件の隅々まで確認することができる。
売り主側にとっても、場所や時間の制約が無く、多くの買い手に見てもらえるメリットがある。実際に試験導入で武蔵小杉の物件でVR内覧を公開したときは、約1カ月で180件の閲覧があり、現地見学はネット上で物件の3D画像を事前確認した2組のみで、成約に至ったという。
LIRでは、現在は既に60件の物件でVR内覧システムを導入しており、今後も取り扱う物件にVR内覧システムを積極的に採り入れていくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- パナソニックのVRを使った街づくり支援
パナソニック エコソリューションズ社はVR(バーチャルリアリティー)を街づくりや施設計画に活用した「環境計画支援VR」のサービスを展開している。 - VR×ザブトンで地震を体感、ビルの揺れを可視化するシステムも出展
白山工業は「第3回 スマートビルディングEXPO」で、専用の“ザブトン”に座り、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すると、地震の揺れをリアルに体験できる「地震ザブトン×VR」の他、地震発生時のビルの揺れを可視化する低・中層にも対応したビル管理システムを展示した。 - 仮想室内で「歩く」「立つ」「座る」を実現したVR内見サービス、野村不UNで試験運用
VR技術を活用したプラットフォームを提供しているナーブは2018年10月29日、「歩く」「立つ」「座る」といった動作を不動産物件のVR空間で体験できる新しいVRシステムを開発したことを明らかにした。2018年11月下旬に野村不動産アーバンネットの店舗で試験的にサービスを開始する。 - リノベマンションの設計図をVR化、施主との合意形成に活用
フリーダムアーキテクツデザインは、リノベマンションの設計段階の内部をVR(ヴァーチャルリアリティー)技術を使って、自由に歩くことができるVRサービスを開始した。図面の中を「自由に歩く」ことで、平面図では分かりづらい奥行感や天井高がリアルに確認できるため、発注者と設計者の合意形成に役立つ。