住まい選びに関する意識調査、VR内覧をすればモデルルームの見学が不要な人は50.8%:産業動向
スタイルポートは、インターネットアンケートで、1年以内に新築マンションを契約したことがあるか、もしくは購入を検討している315人にVR内覧を活用した住まい選びに関する意識調査を行った。調査結果によれば、「VR内覧を見れば、モデルルームに行く必要は無い」と回答した人が全体の50.8%に上ることが明らかになった。
スタイルポートは、インターネットアンケートで、1年以内に新築マンションを契約したことがあるか、もしくは購入を検討している315人にVR内覧を活用した住まい選びに関する意識調査を2021年4月13〜15日に行い、リサーチの結果を同月30日に発表した。なお、対象者はインターネット上で体験できるVR内覧システム「ROOV walk」を操作した上でアンケートに答えた。
開発コンセプトの説明はオンライン接客が望ましいとした人は43.5%
調査結果によれば、「あなたが欲しい部屋を選ぶ際に参考になると思うものを3つ挙げると何か」と対象者に質問したところ、「モデルルーム」と答えた人は全体の43.5%で最多となった。次いで、「VR内覧コンテンツ」は42.2%、「間取り図」は25.7%、「イメージムービー」は23.2%、「立体模型」は16.8%、「パンフレット」は12.4%、「部屋模型」は10.8%、「イメージパース」は9.8%、「その他」は4.8%となった。
「VR内覧ツールを見た後に、モデルルームに行く必要があるか」と対象者に聞いたところ、「VR内覧ツールを見れば、モデルルームに行く必要はやや無いと思う」と返答した人は31.7%で最も多かった。次いで、「VR内覧ツールを見ると、モデルルームに行きたい気持ちにややなる」は25.7%、「VR内覧ツールを見ると、モデルルームに行きたい気持ちになる」は23.5%、「VR内覧ツールを見れば、モデルルームに行く必要は無いと思う」は19.1%。
「VR内覧を見ればモデルルームに行く必要は無い」「VR内覧を見れば、モデルルームにやや行く必要は無い」と回答した人が合計で50.8%に上った背景には、VR内覧の質や機能向上により、モデルルームに行かなくてもよりイメージを確認できるようになったことに加え、新築マンションの購入で事前にネットで情報収集をしてから説明を受けたいといった志向の変化、外出自粛、オンラインを活用したサービスの日常化があると考えられる。
「VR内覧ツールを見ると、モデルルームに行きたい気持ちになる」と「VR内覧ツールを見ると、モデルルームに行きたい気持ちにややなる」と回答した対象者に、「どのような条件があれば、モデルルームに行く必要は無いと思うか」と複数回答可能の条件で尋ねたところ、「間取りや価格など、検討に必要な情報が全て物件公式HPなどで公開されている」と「どのような状況でもモデルルームには行きたい」がともに44.5%となった。次いで、「チャットやメールでいつでも販売員に相談できる」は27.7%、「その他」は5.2%だった。
「VR内覧ツールがある前提で、さまざまな情報を得る際に、オンラインと対面どちらの接客方法が望ましいか」と対象者に質問したところ、「開発コンセプトの説明」「立地の説明」「建物概要」「住宅設備・仕様の説明」「価格の説明」などの各項目で、「オンラインが望ましい」もしくは「オンライン・対面どちらでも良い」と回答した人の数が「対面接客が望ましい」と答えた人の数を上回った。
また、「オンライン接客が望ましい」と答えた人が最も多かった項目は、「開発コンセプトの説明」で、次に「間取りの検討」「立地の説明」が続いた。一方、「対面接客が望ましい」と回答した人が最多だった項目は「契約」で、次に「資金相談」「価格の説明」。
上記の結果から、新築マンション購入の検討序盤では希望間取りの選定を含め、さまざまな情報をオンラインで効率良く収集し、気に入った物件のマンションギャラリーで販売員と購入資金などライフプランを相談しつつ契約を決めたい、といった消費者の志向が読み取れた。
<調査の概要>
調査時期:2021年4月13〜15日
調査対象:1年以内に新築マンションを契約したことがあるか、もしくは購入を検討している315人
調査手法:インターネットによるアンケート調査
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