街づくり・防災・インフラ点検で役立つ5G事業を募集、サムライインキュベート:5G(2/2 ページ)
東京都が推進する「5G技術活用型促進開発事業」で、スタートアップを支援する開発プロモーターに採択されたサムライインキュベートは、5Gを活用した技術の街中への実装と事業化を支援するプログラム「GO BEYOND DIMENSIONS TOKYO」を始動した。GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOの実施期間は第1〜3期の全体で2021年11月10日〜2024年3月末を予定している。
各街中実装パートナーのコメント
京浜急行電鉄の羽根氏は、「当社は、GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOの実証フィールドとアセットとして、京急本線“品川”駅、“羽田空港第1・第2ターミナル”駅、“羽田空港第3ターミナル”駅といった駅施設やクロスシートを採用した2100形などの電車、沿線のショッピングセンター“WING 高輪”などの商業施設、ビジネスホテル“京急 EX イン”、首都圏各所と羽田空港を結ぶ“羽田空港シャトルバス”品川を中心に運行する京急交通のタクシーを提供する。今回のプロジェクトでは、顧客体験の向上につながるような事業の応募を期待している」と話す。
JR東日本都市開発の桑原氏は、「当社は、首都圏高架下で運営する“エキュート”“シャポー”“ビーンズ”といった商業施設や店舗、駐車場、保有するオフィス、賃貸住宅、直営の飲食店を実証フィールドとして提供する。プロジェクトでは、各店舗からのドローン宅配を実現するテクノロジーや火災と故障を防ぐ技術を盛り込んだ事業のエントリーを楽しみにしている」と語った。
清水建設の加藤氏は、「当社保有の施設や本社に設けたデジタル技術を活用したオフィス“SHIMZ CREATIVE FIELD”を実証フィールドとする。SHIMZ CREATIVE FIELDは、フィンランドに本社を構えるHaltianの位置探索システム“Empathic Building”とQuuppa Oyの高精度測位システム“Quuppa Intelligent Locating System”を組み合わせたワークスペースで、社員の位置やワークプレースの利用状況をスマートフォンとモニターで確かめられるようにしている。GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOでは、応募される全テーマの事業に関心がある」と胸中を明かした。
三菱地所の花岡氏は、「東京・大丸有エリアをセットとする予定だ。具体的には、保有・管理する施設や実証で整備を進めるローカル5Gの通信環境を実証フィールドおよびアセットとして提供する。ローカル5Gの通信環境構築では、丸の内ダイレクトアクセスが丸の内に敷設した光ファイバー網の親局を丸の内ダイレクトアクセスのデータセンターに集約し、各拠点には子局のみを配置することで、高効率な通信網に仕上げた。GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOでは、三菱地所が大丸有エリアで展開しているローカル5G実証拠点の活用方法につながる事業に注目している」とコメントした。
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