総延べ床面積55万m2の再開発プロジェクトが芝浦で始動、野村不動産ら:プロジェクト
野村不動産、野村不動産ビルディング、東日本旅客鉄道(JR東日本)は、東京都港区で、再開発計画「芝浦一丁目プロジェクト」の起工式を2021年9月28日に行い、総延べ床面積が約55万平方メートルの施設開発に着手した。
野村不動産、野村不動産ビルディング、東日本旅客鉄道(JR東日本)は、東京都港区で計画を進める国家戦略特別区域計画の特定事業「芝浦一丁目プロジェクト」が2021年10月1日に着工したことを発表した。
オフィス部分で「ZEB Oriented」を取得予定
芝浦一丁目プロジェクトでは、浜松町ビルディングの建替事業として、今回着工するS棟と、2027年度着工のN棟から成るツインタワーの建設を予定している。ツインタワーは、オフィス、ホテル、商業施設、住宅などで構成される見込みだ。
環境配慮に関しては、気候変動に対する緩和策として、最新の省エネ・CO2削減技術や「開発施設などでの創電」による再生可能エネルギーの利用、「カーボンニュートラル都市ガス」の導入などで、街区全体におけるCO2排出量の実質ゼロを目指す。
具体的には、建物内と地域冷暖房施設での省エネ活動により、2010年度に都内の大規模事務所で生じたCO2排出量の実績を基準とし、都市再生特区の目標であるCO2の40%削減を上回る45%以上のCO2排出量低減を達成できる想定だ。
上記の取り組みに加え、野村不動産グループのエネルギー事業による「太陽光発電」と「カーボンニュートラル都市ガス※1」の導入で、街区全体におけるCO2排出量の実質ゼロを実現する。そして、国際的な環境団体「RE100」に加盟する企業のニーズにも適合した電気の供給を予定している。
※1 カーボンニュートラル都市ガス:天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し燃焼しても地球規模ではCO2が発生しないとするLNG(CNL)を活用した都市ガス
さらに、各種省エネの取り組みを成し遂げ、延べ床面積が30万平方メートルを超えるツインタワーのオフィス部分を対象に「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」の「ZEB Oriented」を取得する見込みだ。30万平方メートルを超える建築物でのZEB Oriented取得は国内初だという。そして、芝浦一丁目プロジェクトは、2021年8月に設計段階で、国土交通省が推進する「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択された。
また、2021年4月に設立した東京ガス野村不動産エナジーが、芝浦一丁目プロジェクトへのエネルギー供給を行い、環境負荷低減と防災対応力強化を図る。この取り組みの一環として、燃料電池排ガスに含まれるCO2を有効利用して排水中和するシステムの導入を検討している。
BCP対策に関して、芝浦一丁目プロジェクトは、防潮堤(ぼうちょうてい)および水門の内側に立地しているが、激甚化する気象災害への適応策として、敷地内に防潮板(ぼうちょうばん)を設置する他、万が一の浸水に備え、重要電気諸施設を2階以上に設置し、地下重要施設にも水密扉を配置する。内水氾濫対策としては、雨水対応のために、緊急遮断弁を取り付け、都市機能を保つ。
芝浦一丁目プロジェクトの概要
芝浦一丁目プロジェクトは、S棟とN棟から成り、S棟は地下3階/地上43階建てで、高さは約235メートル。N棟は地下3階/地上45階建てで、高さは約235メートル。総延べ床面積は約55万平方メートル。所在地は東京都港区芝浦一丁目1番1号他で、区域面積は約4万7000平方メートル。主用途は、事務所、商業施設、ホテル、共同住宅、駐車場。S棟の施工は清水建設が担い、着工は2021年10月1日で、竣工は2024年度を予定している。N棟は、施工の担当会社は未定で、2027年度に着工し、竣工は2030年度を見込んでいる。
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