高さ125メートル「立石のシンボル」、立石駅南口東地区の再開発が始動:プロジェクト
立石駅南口東地区市街地再開発準備組合と参加組合員予定者の野村不動産、阪急阪神不動産は2019年6月4日、同地区の再開発事業が2019年6月3日付で東京・葛飾区より都市計画決定の告示を受けたことを明らかにした
「立石駅南口東地区第一種市街地再開発事業」が2019年6月3日、東京都葛飾区から都市計画決定を受けた。
複数の世代が居住できる多様な住環境を整備
同再開発事業は、2013年8月に設立した立石駅南口東地区市街地再開発準備組合の他、事業協力者の清水建設、参加組合員予定者の野村不動産と阪急阪神不動産が参画して計画を推進する。なお、事業コンサルタントは佐藤総合計画が担当している。
建設予定地は、東京・葛飾区立石1丁目と4丁目の一部で、京成押上線「京成立石」駅の南側至近に位置する区域面積約1ヘクタールの土地。計画では、敷地をAとBの2つに分け、A敷地の約3350平方メートルには、高さ約125メートルの34階建てマンションを新設。延べ床面積は約5万3200平方メートルで、共同住宅の住戸数は約450戸。低層部には店舗や事務所などが入る見通し。
一方のB敷地では、約530平方メートルの敷地面積に、地上3階建て、高さ約16メートルの店舗、公益施設、駐車場、駐輪場から成る複合施設を建設。延べ床面積は約1500平方メートル。
立石駅南口東地区の再開発事業は、「防災力の向上」「多世代居住の推進」「賑(にぎ)わいの創出」「持続可能な街づくり」の4つを掲げ、地域課題の解決をテーマとしている。緊急時に地区周辺の住民や帰宅困難者が避難できる防災拠点としての機能を確保しつつ、複数の世代が居住できる住環境を整備する。さらに、利便性の高い商業/公益機能を担いながら、「立石」のシンボルとなる回遊性の高い空間も具体化させるという。
今後のスケジュールは、2019年度内に再開発組合(本組合)を設立し、2020年度には権利変換計画の認可を受ける予定。2021年度には、建築工事に着手し、2024年度の完成を目指す。
周辺地域はこれまで、商業店舗が集まる区内有数の繁華街であるにもかかわらわらず、老朽化した建物が密集しており、狭隘(あい)な道路が数多く見受けられるなど、防災の観点で都市基盤に問題が多々あった。しかし、近年は、葛飾区総合庁舎が整備される予定の「立石駅北口地区」や同じく組合施行の「立石駅南口西地区第一種市街地再開発事業」も計画されており、駅周辺一帯で大規模なまちづくりが進んでいる。こうした周辺のプロジェクトと連携した駅周辺の魅力の維持・向上のためのタウンマネジメントも検討されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 大阪都心の一等地「うめきた2期」再開発事業者に、三菱地所JV
大阪駅北側で最後に残された再開発地区「うめきた2期地区」の事業者が、三菱地所を代表とするオリックス不動産、積水ハウス、竹中工務店ら15社で構成されたJVに決定した。都市公園4.5ha(ヘクタール)をメインに、北側を住宅、オフィスなどの新産業創出と産学官民の交流ゾーン、南側はMICE施設やホテルなど、国際的なビジネス・観光を促す高度複合都市機能の集積ゾーンとして整備する。工事着工は2020年秋で、2024年の開業を目指す。 - 横浜MM21「53街区」の再開発で大林組らを選定、1100億を投資して18万m2の「WEST/EAST棟」を2023年に開業
横浜市の「みなとみらい21中央地区53街区」を対象にした開発事業者公募で、大林組、京浜急行電鉄、新日鉄興和不動産、ヤマハの4社で構成する企業グループが事業予定者に選定された。大林組らは、1100億円を投じて、総延べ18万平方メートルのWEST/EAST棟で構成する大規模複合ビルを建設する。着工は2020年12月、完成は2023年11月の予定。 - 大和ハウスらが500億円を投じ、新札幌駅近くの団地跡地で5.5万m2の大規模再開発
大和ハウス工業ら6者から成るコンソーシアムは、札幌市厚別区のJR「新札幌駅」にほど近い、「市営住宅下野幌団地」跡地の約4万9000m2(平方メートル )の土地を取得した。この土地では、「(仮称)新さっぽろ駅周辺地区G・I街区開発プロジェクト」として、総事業費500億円を投じて、開発総面積5.5万m2の大規模開発を行う。計画では教育機関2棟、医療施設4棟、商業施設、ホテル、分譲マンションの新設が予定されている。 - 三菱地所とTBSが「国際新赤坂ビル」の建て替えで協定締結、2029年の竣工を目指し計画検討
三菱地所とTBSは、三菱地所が運営管理する東京都港区赤坂の1980年に竣工した「国際新赤坂ビル(西館・東館・アネックス)」と隣接するビルの建て替えに向けた事業協定書を締結した。 - 宇都宮駅東口にコンベンション施設や高度専門病院など整備、野村不動産
宇都宮駅東口のPPP方式による再整備計画で、優先交渉権者に野村不動産を代表とするグループが選定された。計画では、2000人収容の大ホールを有する公共のMICE施設の他、147戸の分譲マンション、ホテル機能を備える複合施設、外壁に市特産の大谷石を使った広場などを2022年8月の供用開始を目指して整備する。工事着手は2019年度中の見通し。