福島駅前東口の再開発が始動、野村不が事業協力者に
福島駅前の東口で検討が進められている再開発プロジェクトで野村不動産が参画することが分かった。同エリアには本社機能も有する老舗の百貨店「中合福島店」があり、今後、再開発事業で建て替えなどが行われることも想定される。
野村不動産は2018年5月11日、JR福島駅前で検討されている再開発の事業協力者に決定したことを明らかにした。福島駅東口市街地再開発準備組合と協定書を締結し、福島駅前の新たなランドマークとなる住宅商業施設などの複合再開発に着手する。
福島駅前の新たなランドマーク創出
計画地は福島県福島市栄町5,8,9,10。JR東北本線「福島」駅東口の駅前に位置し、福島市内のにぎわいの軸である商店街「駅前通り」に面する。交通と賑わいの拠点であるとともに、周辺には福島県庁もあり、行政の中心地としての立地特性も備える。隣接地では福島県立医科大学が、2021年4月の保健科学部(仮称)開校に向けて準備を進めている。
福島市では、策定した「都市マスタープラン」でこのエリアで、都市基盤の整備や土地の高度利用を促進し、商業、業務、文化、まちなか居住などの都市機能の充実と交流人口の拡大を図るべき地区に定めている。
2018年4月には、駅前活性化を目的とした都市機能の再構築、福島の個性と魅力を発信する交流拠点づくりを検討するため、市街地再開発準備組合が設立された。今後は都市計画決定を経て、早期の本組合設立を目指す。
野村不動産は、施行区域や施設用途・規模などを権利者や行政と協議し、「福島」駅前という優れた立地特性にふさわしい適切な高度利用および都市機能の充実を図っていく。今までデベロッパーとして培った街づくりのノウハウを活用し、震災復興の一助となるべく、駅前の新たなランドマークとなる街づくりに協力していくことを表明している。
野村不動産は、これまで国主導のコンパクトシティー化、持続可能な街づくりなどの昨今の情勢を踏まえ、首都圏を中心に市街地再開発事業、マンション建替え事業などで培ったノウハウを生かして、地方都市においても再開発や良質な住宅を安定的な供給に取り組んできた。
今後は新幹線停車駅の政令指定都市、中核都市を中心に、東北新幹線エリア/上越・北陸新幹線エリア/東海道新幹線エリアで、地元関係者・行政との密着度を高め、よりきめ細かな対応ができる体制を構築していくとしている。
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