冷媒の漏えい検知・フレア加工不要・消費電力7%削減の新型エアコン、ダイキン工業:製品動向(3/3 ページ)
ダイキン工業は、ビル用マルチエアコン「VRV」や店舗・オフィス用エアコン「スカイエア」、店舗・オフィス用マルチエアコン「machi マルチ」シリーズの新型を開発した。新型は「冷媒漏えい検知機能」「システムでの省CO2化」「フレアレスジョイント」といった新機能を備えている。今後は、こういった機能を同社のエアコンに搭載するために、1100機種以上のモデルチェンジを行う予定だ。
長年の使用によるニオイ成分の蓄積を抑制
清潔アルミフィンは、室内機内部の熱交換器に耐食性や親水性の高い3層コーティングを施したもので、従来の親水被膜コーティング材と比べ、空調機のドレン水に含まれるニオイ成分が被膜内部に侵入しにくい樹脂被膜を採用している。これにより長年の使用によるニオイ成分の蓄積を抑制し、室内機内部の清潔性を高めた。
また、新型のプレフィルターには抗菌と防カビの作用がある抗菌・防カビフィルターを標準採用し、フィルターに蓄積されるカビや菌の成長を抑えている。抗菌・防カビフィルターは、ウイルスや菌を吸着して不活性化させる別売品の「チタンアパタイトフィルター」と組み合わせて使用することで室内空気の清浄度をアップする。
コロナで導入が進む個室向けのエアコン
machi マルチシリーズの新型には、新型コロナウイルス感染症により飲食店やオフィスで導入が進む個室にも対応した容量である冷房定格能力1.6キロワットの室内機をラインアップする。machi マルチシリーズの小容量室内機はシングルフロータイプと壁掛けタイプを用意。使用する室外機は、サイズがコンパクトで、重さは80キロと従来品と比較し43キロの軽量化を達成しており、狭小な場所にも配置でき、2人での搬入も可能なため、少人数で取り付けられる。
「従来業務用の室内機は、最小容量が2.2キロワットまでしかなく、小部屋に設置された場合も、能力が過大となり室内温度が変化しやすくなってしまう課題があった。解決策として、小容量タイプのmachi マルチシリーズを開発した」(堀氏)。
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