風が直接体に当たらず静音性に優れた寝室用パネルエアコン、フジタ:次世代ヘルスケアプロジェクト2020
フジタは、静音性に優れ風が直接体に当たらない寝室用パネルエアコン「眠リッチ」を2019年6月12日に発売。現在では、全国のマンションや戸建住宅などへ順次導入され、今後は全国のデベロッパーや住宅メーカー、ホテル、医療福祉施設の事業者への提案を強化していく。
フジタは、予防医療や健康促進、寿命延長などをテーマにした展示会「次世代ヘルスケアプロジェクト2020」(会期:2020年11月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展し、寝室用パネルエアコン「眠リッチ」をPRした。
部屋の冷え過ぎと乾燥を防止
眠リッチは、フジタと住宅設備会社の長府製作所が共同開発した家庭用の放射冷暖房システムで、室内機「ハイレンジ・薄型ヒートポンプエンジン」や「サーモテックファイバーパネル」、専用室外機、断熱プレート、リモコンなどで構成されている。
放射冷暖房の手順は、まずハイレンジ・薄型ヒートポンプエンジンが室内の空気をエアフィルターを通して吸い込み、内部で加熱もしくは冷却を行う。加熱か冷却された空気は、幅広のファンで断熱材とサーモテックファイバーパネルの間にゆっくり放出され、サーモテックファイバーパネルが熱エネルギーを赤外線に変換。赤外線の効果で、寝ている人の体やベッド、壁、床をムラなく冷暖房する。
サーモテックファイバーパネルの表面には、フジタが独自開発した特殊繊維で編み込んだ布「サーモテックファイバー」を使用している。サーモテックファイバーは、水蒸気を適度に透過させつつ、放射冷暖房が行えるため、パネル表面に結露が発生しない。サーモテックファイバーパネルの重さは1平方メートルあたり250グラムと軽量で、防汚と静電気防止の加工が施されており汚れとホコリが付きにくい。
フジタの担当者は、「通常の放射冷暖房システムは立ち上がりが遅く、室温をコントロールするのに時間がかかるが、眠リッチは、赤外線の他に、ファンから排出された冷気または暖気が断熱材とサーモテックファイバーパネルの間から漏れ出すため、迅速に部屋の温度を管理できる」と一般的な放射冷暖房システムとの違いについて述べた。
眠リッチの効果については、「眠リッチは、赤外線を用いて、室温をコントロールするので、従来のエアコンと比べて、直接体に風が当たらないため、足や手先の血流量が極端に下がらず、冷え過ぎを防止する。急激な温度変動も起こさず、部屋の温度を一定に保ち、眠っている途中で目を覚ますことが無くなり、熟睡しやすい。また、これまでのエアコンは、噴出する気流により、体の周辺にある湿度の高い空気層を乱し、室内を乾燥させていたが、眠リッチは赤外線で室温を管理するために、部屋が乾燥しない。さらに、これまでのエアコンと比較して、ファンの回転数が少なく、運転音が30デシベル以下のため、眠りを妨げず、睡眠中のストレス値を下げられる」と解説した。
また、通常の運転モードとは別に、「おすすめ快眠」モードを備えている。おすすめ快眠モードは、人の入眠時と起床時の体温変化に合わせて、設定温度を自動でコントロールし、睡眠をサポートするため、寝苦しい熱帯夜でも快眠するのに役立つ。
眠リッチの開発経緯について、「フジタは以前、埼玉県狭山市で建設した埼玉石心病院から“透析を受けている入院患者は、エアコンの風で痛みを感じるため何とかして欲しい”と要望をもらい、直接体に風が当たらない病院用天井放射冷暖房システムを導入した。天井放射冷暖房システムを埼玉石心病院に取り付けた際に、住宅向けでも放射冷暖房システムの需要があると思い付き、病院用をカスタマイズし、眠リッチを開発した」とした。
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