2020年のマンション市場動向を調査、発売戸数は前年比で15%減少し1976年以来の低水準:不動産市況(2/2 ページ)
不動産経済研究所は、2020年1〜12月における全国のマンション市場動向を調査した。リサーチの結果によれば、2020年の発売戸数は前年比で15.2%減少し、コロナ禍によって1976年以来の低水準となった。
平均価格と単価ともに4年連続で最高値を更新
2020年のマンション平均分譲価格は、全国平均で4971万円となり、2019年の平均価格4787万円に比べて3.8%のアップを記録した。1平方メートル当たりの単価は、全国平均で75.8万円となり、2019年の72.6万円に比べて4.4%上がった。平均価格が対前年比でアップしたのは4年連続で、1平方メートル当たりの単価がアップしたのは8年連続となり、平均価格と単価ともに4年連続で最高値を更新している。
首都圏における1戸当たりの平均分譲価格は6083万円で、2019年の5980万円に比べて1.7%上昇し、近畿圏は4181万円で、2019年の3866万円と比較し8.1%アップした。
売主・事業主別で、発売した戸数が最も多かったのは、4342戸販売したプレサンスコーポレーションで、同社は初のトップとなった。次に、3791戸の野村不動産、3512戸の住友不動産、2334戸の三井不動産レジデンシャルが続いた。
2021年における発売見込みは全国で約6.9万戸と2020 年に比べると0.9万戸(約15.2%)増の見込みだ。内訳は、首都圏は3.2万戸(17.5%増)で、近畿圏は1.8 万戸(18.5%増)、東海・中京圏は0.5万戸(7.2%減)、九州地区は0.7万戸(20.8%増)、中国エリアは0.2万戸(23.2%増)。首都圏や近畿圏、九州・沖縄、中国エリアなどが増加となる予測で、首都圏のシェアは46.4%とわずかにアップし、大手企業中心の市場に大きな変化はないとしている。
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