2020年のマンション市場動向を調査、発売戸数は前年比で15%減少し1976年以来の低水準:不動産市況(1/2 ページ)
不動産経済研究所は、2020年1〜12月における全国のマンション市場動向を調査した。リサーチの結果によれば、2020年の発売戸数は前年比で15.2%減少し、コロナ禍によって1976年以来の低水準となった。
不動産経済研究所は、2020年1〜12月における全国のマンション市場動向を調査し、2021年2月24日に発表した。
首都圏のシェアは5年連続で50%を下回る
調査結果によれば、2020年のマンション発売戸数は5万990戸で、2019年の7万660戸と比べて1万753戸(15.2%)の減少となった。対前年比でダウンとなるのは2年連続で、コロナ禍によって1976年(4万9955戸)以来の低水準となり、首都圏、近畿圏、九州・沖縄エリアなどが軒並み低減した。
2020年の地域別発売戸数は、首都圏は2万7228戸(全国比45.5%)で、近畿圏は1万5195戸(同比25.4%)、東海・中京圏は5386戸(同比9.0%)、北海道は1148戸(同比1.9%)、東北地区は1178戸(同比2.0%)、関東地区は763戸(同比1.3%)、北陸・山陰地区は554戸(同比0.9%)、中国地区は1624戸(同比2.7%)、四国地区は1034戸(同比1.7%)、九州・沖縄地区は5797戸(同比9.7%)となった。首都圏のシェアは5年連続で50%を下回っている。
首都圏の都県別発売戸数は、東京都が1万4153戸で、神奈川県は5586戸、埼玉県は3367戸、千葉県は4122戸だった。2019年の実績と比較した発売戸数の増減率は、東京都は13.0%減で、神奈川県は22.2%減、埼玉県は26.5%減、千葉県は28.8%増となり、千葉県を除き前年と比べ発売戸数が減った。東京23区の発売戸数は1万911戸で、2019年の1万3737戸と比較し2826戸(20.6%)のダウンとなっている。
近畿圏の府県別発売戸数は、大阪府は9088戸で、兵庫県は3403戸、京都府は1384戸、奈良県は524戸、滋賀県は607戸、和歌山県は189戸だった。2019年の実績と比較した発売戸数の増減率は、大阪府は29.6%減で、兵庫県は0.2%減、京都府は70.9%増、奈良県は231.6%増、滋賀県は12.2%減、和歌山県は177.9%増となり、京都府や奈良県、和歌山県で発売戸数が大幅に上がった。
主な地方中核都市の発売戸数は、札幌市は1148戸で、仙台市は624戸、名古屋市は3849戸、広島市は777戸、福岡市は1964戸となった。こういった都市の2019年実績に対する発売戸数の増減率は、札幌市は3.9%減で、仙台市は50.7%減、名古屋市は11.9%増、広島市は28.0%減、福岡市は42.5%減となり、名古屋市を除き前年を下回った。
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