野村総研、2040年度までの住宅市場予測を発表:産業動向
野村総合研究所は、2040年度までの住宅市場予測を発表した。2040年度の新設住宅着工戸数は46万戸まで減少、また、2030年度のZEHストック数は159万戸となる見込みだという。
野村総合研究所は、日本における「2021〜2040年度の新設住宅着工戸数」「2020〜2040年度のリフォーム市場規模」「2020〜2030年度のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)着工戸数、およびストック数(着工戸数の累計)」の予測結果を発表した。
新設住宅着工戸数は、移動世帯数の減少、平均築年数の伸長、名目GDPの成長減速などにより、2020年度の81万戸から、2030年度には65万戸、2040年度には46万戸と減少していくとされた。利用関係別では、2030年度には持家21万戸、分譲住宅18万戸、給与住宅を含む貸家27万戸と、いずれも次第に減るという予測だ。
「住宅着工統計上『新設住宅』に計上される増築・改築工事」および「設備等の修繕維持費」に、「エアコンや家具等のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品等の購入費を含めた金額」を加えた広義のリフォーム市場規模は、2040年まで年間6兆〜7兆円台で微増ないし、横ばい傾向が続くと予測された。これに対し、「耐久消費財、インテリア商品等」の購入費用を除く狭義のリフォーム市場は、1兆円前後少ない規模と見込まれる。
単年のZEH着工戸数は、2016〜2019年度までの増加傾向を維持して引き続き増加するが、2024年度をめどに停滞するとされる。ZEHストック数は、2030年度に向けて着実に増加する見込みだが、「社会資本整備審議会第18回建築環境部会提出資料におけるエネルギー削減量の算出根拠について」に示されている、2030年度の政策目標達成に必要な目安としてのZEHストック数313万戸には遠く及ばない見込みだ。
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