2030年度の新設住宅着工戸数は減少、リフォーム市場は横ばいが続く:産業動向
野村総研が、2019〜2030年度の新設住宅着工戸数とリフォーム市場規模の予測を発表。新設住宅着工戸数は63万戸に減少、リフォーム市場は6兆〜7兆円台で横ばいが続く。
野村総研は2019年6月20日、2019〜2030年度の新設住宅着工戸数とリフォーム市場規模の予測を発表した。新設住宅着工戸数は63万戸に減少、リフォーム市場は6兆〜7兆円台で横ばいが続く。
新設住宅着工戸数は、2018年度の95万戸から、2025年度には73万戸、2030年度には63万戸と減少していくと予測する。2015年1月の相続税制改正により貸家の建築ニーズが高まり、2015年度以降の貸家の着工戸数はそれまでより高い水準で推移している。貸家の供給増加が定着したと仮定した場合、傾向に基づいた中期的予測値より年間5万戸程度の供給増加となる。
利用関係別に見ると、2030年度には持家(建築主が自分で居住する目的で建築するもの)20万戸、分譲住宅(建て売りまたは分譲の目的で建築するもの)16万戸、貸家(給与住宅を含む・建築主が賃貸する目的で建築するもの)が27万戸となる予測だ。貸家は前述と同様に5万戸程度供給増加となる見込み。
リフォーム市場は広義のリフォーム市場規模(エアコンや家具のリフォームに関連する耐久消費財、インテリア商品などの購入費を含めた金額)が2030年まで年間6兆円台で横ばいで推移し、狭義の市場がそれより1兆円前後少ない規模となる見通しだ。
本予測は、新設住宅着工戸数については2019年10月予定の消費増税の影響(増税前の駆け込み需要、および、反動減)を考慮している。また着工の前倒しや先送りで、実際の着工戸数やリフォーム市場規模は変動する可能性がある。
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