屋外現場にも対応する薄型・軽量の「42インチ電子ペーパー」をリコーが発売:現場管理
リコーは、建設現場向けに、薄型かつ軽量で防塵・防水の性能も備えた42インチ電子ペーパーデバイス「RICOH eWhiteboard 4200」を発売した。同時に専用のクラウドサービスも展開し、工事現場と事務所など遠隔にあるデバイス同士での図面や情報の共有も可能になる。
リコーは2021年7月27日、屋外などの現場のDXを後押しするソリューションとして、薄型で軽量かつ防塵(ぼうじん)・防水の性能も備えた42インチ電子ペーパーデバイス「RICOH eWhiteboard 4200」と、ソフトウェア、クラウドサービスを組み合わせた現場管理ソリューションを発売した。
利用シーンを選ばない、防塵・防水、電源レス
近年、オフィスを中心にさまざまなシーンでDXが進む一方で、建築現場では屋外での図面確認など、大判の紙を用いた業務がいまだに続いており、デジタル化は進んでいない。また、手書きやペン入力が可能な電子ペーパーは、10インチ程度のモデルが多く、図面サイズの電子ペーパーをみると表示機能に特化したものが主流となっている。そのため、現場で紙に書き込んだ内容をオフィスや別の場所にいる関係者と共有する場合は、転記や写真で対応しているため、タイムリーな情報共有が難しく、余分な手間がかかってしまっていた。
リコーが建設現場での使用に耐えるべく開発した電子ペーパーRICOH eWhiteboard 4200は、42インチ電子ペーパーデバイスと、ソフトウェア、クラウドサービスを一体とすることで、これまで紙では難しかった多拠点間での情報のリアルタイム共有やデジタルデータでの保存も可能にする。
デバイス本体は、42インチと大型ながら、世界最薄・最軽量を謳(うた)う薄さ14.5ミリ、重さ5.9キロと持ち運びできるサイズ。本体のデザインは、突起が無くフラットのため、平置きだけでなく、壁掛け、立て掛けなどのさまざまな置き方に応える。
視認性では、自発光しない電子ペーパーのために反射せず、図面などの細かい文字や線も太陽光の下でも鮮明に見える。画面には、E Ink製の電子ペーパーディスプレイ「E Ink Carta 1000」を採用し、紙のような書き心地となっている。
また、防塵と防水(IP65対応)を有することに加えて、バッテリー内蔵による電源レスで建設現場や工場など、電源が確保しにくい場所での長時間利用もあらかじめ見込んだ製品設計となっている。
RICOH eWhiteboard 4200の本体価格はオープンで、標準の1年間無償保証以外に、安心3年モデルとして2年間のメーカーサポート付きも用意されている。なお、本体には、専用ペン(白)、ペンホルダー、交換用ペン先(4個)、ACアダプター、ACケーブル、使用説明書、保証書を同梱。
機能面では、表示の拡大縮小や手書き入力文字のテキスト変換、カスタム辞書登録など、電子ペーパーのユーザビリティを高めるソフトウェアを搭載。オプションでクラウドサービス「RICOH eWhiteboard Add-on Service」を活用することにより、定型フォームのテンプレート化やストレージ連携、遠隔でのデータ共有、PCやスマートフォンからの閲覧など、社内外とのスムーズな情報伝達が行える。RICOH eWhiteboard Add-on Serviceの利用料金は、月額1万円の価格設定。
主な用途としては、建設現場での図面確認の他に、医療や消防、交通インフラといった迅速性・正確性が求められる現場での利用を想定。今後は、ニーズに応じて、各業種・業務に適した機能拡張も予定しているという。
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