日立、画像認識AIで特定の危険行動を自動検知するソリューション:AI
日立ソリューションズは、画像認識AI技術を活用し、作業員の安全装備の装着の有無や特定の危険な行動をカメラの映像から自動検知する「作業員安全確保支援ソリューション」を6月15日から販売開始した。
日立ソリューションズは2021年6月15日、画像認識AI(人工知能)技術を活用し、作業員の安全装備の装着の有無や特定の危険な行動をカメラの映像から自動検知する「作業員安全確保支援ソリューション」を販売開始した。
同ソリューションは、「ヘルメットやマスク、ハーネスなどの安全装備の未装着」「歩きスマホやポケットに手を入れたまま歩く動作などの不安全行動」を、画像認識AIがタイムリーに自動検知し管理者に通知する。これまで管理者が目視で実施していた確認作業をAIを活用して効率化し、現場の安全管理と作業員の安全の徹底を支援する。
企業の要望に応じて、一定時間危険な状態が続いた場合に管理者にメールでアラート通知を行い、パトランプの点灯などで注意喚起することも可能だ。これにより、現場管理者は目視で確認していた作業員の安全確認作業を遠隔監視で行えるようになる。
AIは、ヘルメットやマスク、ハーネスなどの安全装備品や、特定の不安全行動も事前に学習済みだが、業種特有の装備品や不安全行動を判定したい場合は追加で学習させることも可能だ。そのため、企業のルールに合わせた安全管理も推進できる。
同社が工場や建設現場などで行った実証実験で、AIに600件の画像を学習させた結果、93%以上の正答率で安全装備や不安全行動を検知することを確認したという。
同ソリューションはクラウドとオンプレミス環境のいずれも選択可能で、価格はクラウドが月額3万8500円から(接続カメラ1台当たり)、オンプレミス環境が月額19万2500円(接続カメラ5台)を予定している。
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