コロナ対策や生産性向上を実現するビル向けソリューション、ジョンソンコントロールズ:スマートビルディング(2/2 ページ)
ジョンソンコントロールズは、新型コロナウイルス感染症や働き方と環境意識の変化により変わったビルシステムのニーズを踏まえて、BASなどの運用技術とインフォメーションテクノロジーを組み合わせられるプラットフォーム「Open Blue」を開発した。
スマホのスマートキー化や再エネの効率的な運用が可能
前記の課題や需要を考慮し、ジョンソンコントロールズは、スマートビルの構築で役立つソリューション「Open Blue(オープンブルー)」を開発した。Open Blueは、同社がこれまで蓄積したノウハウを生かしたビルオートメーションシステム(BAS)やエネルギー、セキュリティ、防火、空調冷熱機器の運用技術(OT)と天気、健康・ウェルネス、ユーザー、企業のビジネスデータ、クラウド間の情報利用といったインフォメーションテクノロジー(IT)を組み合わせるプラットフォーム。ITをOTに取り込む技術の開発では、Google、Microsoft、CISCO、CRBEといった100社の協力を得ている。
「Open Blueの特徴は、施設の用途や環境に合わせてカスタマイズできる点だ。用途については、再生可能エネルギーを蓄熱し需要に合わせ効果的にエネルギーを運用しカーボンフットプリントをカットすることやBASを電力、計量のシステム、建物内のネットワークと連携し事前に設定したシナリオ通りに稼働させること、屋内におけるタスクのスケジューリング、スマートフォンをセキュリティゲートのスマートキーとし入退室管理することに応じている」(吉田氏)。
Open Blueの採用事例としては、サステナビリティサービスを提供するBee'ahが保有するアラブ首長国連邦の本社と米国ハワイ州に存在するハワイ大学コミュニティーカレッジのケースが紹介された。Bee'ahの本社では、Open Blueを用いるとともに、MicrosoftのIoT、ビッグデータ、AI、ニューロ言語プログラミング(NLP)を使用して、炭素排出量を0%とし、使用水量20%とエネルギー利用料5%のカットや従業員の満足度を20%アップすることを目標に掲げた。AIは、ビルの設備管理、セキュリティ、人事関連のシステムを相互接続することに活用した。
ハワイ大学コミュニティーカレッジでは、多様な設備で創出した100%の再エネをOpen Blueで効率的に蓄電し、日除けテント、照明などを改良して、施設内に配置された4つのキャンパスでエネルギー消費量を平均80%以上削減。さらに、省エネ改修工事と再エネソリューションの実装で、8000万ドルのコスト軽減も達成した。
なお、現在、国内の企業でもOpen Blueを試験導入し、効果を検証中だ。ジョンソンコントロールズでは、導入の結果やOpen Blueの仕組みを今後公表していくとしている。
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