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コロナ禍で空調システムの使用方法に変化、換気回数は1時間に4回以上が増加傾向コロナ禍の空調システム活用法

現在、国内では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、各社で空調システムの使用方法が変化しつつある。今回、ジョンソンコントロールズのビルテクノロジー&ソリューション 人事本部 技術教育グループ 佐藤功氏に、ジョンソンコントロールズ製品のユーザーがコロナ禍にあってどのように空調システムを使用しているかとafterコロナで役立つ空調システムについて聞いた。

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 ジョンソンコントロールズは2020年5月29日に開催した記者発表会で、新型コロナウイルスと共存する新たな業務形態「ニューノーマル」に対処する製品を開発していく方針を示した他、独自に取り組む新型コロナウイルス対策を発表した。

 新型コロナウイルス対策を踏まえた製品開発や社内活動を進めるジョンソンコントロールズ ビルテクノロジー&ソリューション 人事本部 技術教育グループ 佐藤功氏に、コロナ禍で役立つ空調システムや効果的な使用方法を聞いた。

コロナ対策で室内の空気を全て外気と入れ替えて換気

――コロナ禍でジョンソンコントロールズ製空調システムの導入先で起きた変化


ジョンソンコントロールズ ビルテクノロジー&ソリューション 人事本部 技術教育グループ 佐藤功氏

佐藤氏 ジョンソンコントロールズ製空調システムの導入先では、以前と比較して、室内の換気回数を増やす傾向にある。これまで、高層ビルなど直接窓を開けられない一般的なオフィスビルでの空調システムの換気回数は1時間に2回程度だったが、新型コロナ感染症の拡大後は、空調機の能力にもよるが、1時間に4回以上行うビルが増加した。

 同時に、空調機の換気方法も変化してきている。これまではエネルギーの使用量を少なくするため、空調機で室内の空気のうち、30%は温度を調整した外気と入れ替え、残りの70%はフロア内の空気を循環させていた。

 コロナ禍では、空調機のCO2濃度によるフィードバック制御換気で室内の空気をなるべく多く外気と入れ替えて換気している。


空調機のCO2濃度によるフィードバック制御

 また、室温の状態に応じて送風量を変更できる空調システムの可変風量(VAV)方式で、複数のVAVを制御し、エリアごとに在室状況を判断し、送風量を変えるゾーニングを行い、コロナ対策を図るビルも多い。

――コロナ禍で役立つ空調システム

佐藤氏 コロナ禍で役立つ空調システムは、テナントビルの空調管理をサポートするシステム「Tenant Server」が該当する。Tenant Serverは、ジョンソンコントロールズが開発したソリューションで、入居テナントが空調機の換気と温度の設定や照明をPCで操作するとともに、スマートフォンやタブレットで、屋外に居ながらにして空調のコントロールやエネルギー使用量を把握することが可能だ。

 Tenant Serverを用いることで、ユーザーは場所を選ばす空調の管理が行えるようになるため、状況に合わせてテナントの空調設定をスムーズに変えられる。例えば、テナントのオーナーが、ビルの外にいてテナントの混雑状況が分かれば、スマートフォンを介してTenant Serverを操作し、テナント内の空調機を全てオールフレッシュ運転モードで稼働させて換気し、感染のリスクを低減。テナント内に顧客がいないときは、局所的に空調機を稼働させることで、エネルギー使用量を減らすことも可能となる。


Tenant Serverの画面

 現在、多くのビルや会社が、空調システムで、室内の1時間あたりの換気回数を増やしたり、部屋の空気の流れ(気流)を考慮したりする新型コロナウイルス感染対策を採用している。しかし、冷房に要するエネルギーの負担が大きく悩んでいる企業も少なくないため、今後は、新型コロナウイルス対策と省エネを両立した空調システムの開発が各社で進んでいくと想定している。

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